SAP棚卸プロセスを5分で説明




SAPの棚卸方法

SAPでの棚卸方法は、大きく2つあります。

1つは、入出庫で棚卸差異数量を計上する方法。

もう1つは、棚卸伝票を使用する方法。

 

入出庫で棚卸差異数量を計上するデメリットとして、いきなり差異数量が在庫に反映され、在庫金額に影響があることです。

経理視点では、いきなり会社の在庫資産が増えたり、減ったりしてしまうため、オフラインでの確認運用をする必要があります。

一方で棚卸伝票を使用する方法では、棚卸差異を確定する処理の前に、いくら在庫数量が増減するか、いくら在庫金額が増減するかの確認が可能です。

今回は、棚卸伝票を使用する方法を紹介していきます。

 

棚卸伝票を使用したプロセス

SAPの棚卸伝票を使用するプロセスは、以下の3つのStepで処理されます。

①棚卸伝票登録:棚卸伝票登録で登録処理を実行した時点の在庫情報を、棚卸伝票にコピーされ伝票登録します。

T-code:MI31・・・伝票登録で登録処理を実行した時点の在庫情報が自動で棚卸伝票にコピーされます。

T-code:MI01・・・マニュアルで棚卸を実施する品目・ロットを棚卸伝票に登録します。(こちらはあまり使いません。。)

棚卸伝票は、プラント・保管場所単位で登録されます。

棚卸伝票明細は、品目・ロット単位で登録されます。

 

②棚卸検数入力:現場で数えた在庫数量を、①で登録した棚卸伝票に対して、入力していきます。

T-code:MI04・・・棚卸明細(品目・ロット)ごとに、検数入力します。

T-code:MI05・・・MI04で一度入力した検数に対して、変更入力ができます。

棚卸検数入力した時点では、棚卸差異数量・金額の確認が可能になります。

※ここが入出庫伝票で処理するパターンとは異なり、確定処理前の差異数量・金額確認が可能になります。

T-code:MI20・・・棚卸差異数量・金額が確認できます。

 

③棚卸差異決済:②で確認した棚卸差異数量・金額に対して、確定処理をします。

T-code:MI07・・・棚卸伝票ごとに決済処理を実施します。

T-code:MI37・・・一括で複数棚卸伝票を決済処理します。

決済処理をすると、棚卸差異数量分の入出庫が自動で登録されます。

SAP標準では以下の移動タイプで入出庫伝票が登録されます。

  • 701/702:利用可能在庫の棚卸増/減
  • 703/704:品質検査中在庫の棚卸増/減
  • 707/708:保留在庫の棚卸増/減

※ちなみに品質検査中在庫は、棚卸増減処理をすると、エラーが出ます。 これは検査中の在庫は増減しない というSAPの考え方があるためです。

 

棚卸伝票を使用するメリット

棚卸伝票を使用するメリットは、2つあります。

①棚卸伝票登録時点の在庫数量と差異比較が可能

棚卸伝票を登録した時点の在庫が、スナップショットで棚卸伝票に登録されます。

棚卸中に入出庫伝票を登録したとしても、棚卸伝票上の在庫数量(SAP上は帳簿数量という項目)は増減しないため、比較する数量はずっと固定のままで、差異比較が容易となります。

例えば、月末最終日 朝9時の在庫を元に棚卸をする運用をしているのであれば、棚卸伝票を使えば月末最終日 朝9時時点の在庫を棚卸伝票に登録することができ、朝9時時点の在庫と検数(現場在庫)を比較することができます。

また、製造の棚卸は月末最終日、経理最終確認は翌月第3営業日 という場合、経理は月末最終日の棚卸伝票登録時点の在庫数量と差異比較が可能となります。

仮に入出庫伝票で棚卸差異をいきなり登録する場合、翌月第1、2営業日には生産が再開しており、月末時点の在庫数量が分からなくなる。 ということが棚卸伝票を使用することでなくなります。

 

②棚卸差異数量・金額インパクトの確認が可能

棚卸検数入力後、棚卸差異数量・金額の確認ができます。

入出庫伝票で差異数量を計上する場合、データ上で経理の確認なく、いきなりマイナスの棚卸差損が発生 ということが起きえますが、棚卸伝票を使用する場合は、棚卸決済前に確認をすることが可能なため、間違えずに棚卸運用をすることができます。

棚卸数量・金額を間違えないように確認プロセスを入れたい場合は、棚卸伝票を使用する業務をオススメします。

 

サマリ

SAPの棚卸伝票を使用したプロセスは、棚卸伝票登録→棚卸検数入力→棚卸決済の3Stepです。棚卸伝票を使用する場合、棚卸で発生する差異数量・金額の確認後に決済(確定)処理が可能なため、棚卸によりどれだけ在庫数量・金額の影響があるか確認ができます。




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ABOUTこの記事をかいた人

とく

製造業界、素材産業にて、SAP ERPの導入・保守を経験。会社の情報システム部門→外資系コンサル会社→育休→独立(フリーランス)。 SAP導入プロジェクトの仕事をする傍ら、SAPに関する情報をブログで発信。