【SAP】外注プロセス・マスタ設定を徹底解説!




外注には、「品目外注(構外外注)」と「工程外注(構内外注)」の2種類があります。

この記事では、SAP外注の考え方、それぞれの外注パターンのプロセス・マスタ設定について解説していきます。

 

SAP外注の考え方

まずはSAPの外注の考え方の概要を解説します。

 

外注プロセス

SAPの外注は次の3つのプロセスで流れていきます。

  1. 購買依頼・購買発注
  2. 支給品支給
  3. 外注品入庫(+支給品出庫)

 

外注品・支給品の構成

次に構成についてです。

構成のイメージは、以下のようになります。

外注の場合、原材料購買と異なり、外注生産するために必要な「モノ」を無償で支給するところがポイントです。

外注品を外注先に製造してもらうために、外注品を製造するために必要な原材料や半製品を外注先に支給します。

これを「仕入先支給品在庫」と呼びます。

仕入先支給品在庫は、「モノは社外にあり」、「資産は自社にあり」という状態です。

仕入先支給品在庫は自社資産のため、SAPで在庫管理対象であるため、棚卸の対象にもなります。

移動タイプ:541 にて、外注に支給品を在庫移動することが可能で、入出庫処理をすると、支給した在庫は 特殊在庫区分:O になります。

 

プロセスイメージ

プロセスと外注品の構成のイメージを合わせると、以下のようになります。

  1. 外注品を購買発注
  2. 構成品となる原材料や半製品を外注先に支給
  3. 外注先から出荷された外注品を入庫(+支給品出庫)

 

支給品支給のパターン

支給品支給には、以下の2パターンがあります。

  1. 購買発注伝票参照で支給
  2. 仕入先を指定して支給

 

使用ケースのイメージとしては、

  • 1の購買発注伝票参照で支給は、発注ごとに支給品を支給する場合に使用。
  • 2の仕入先を指定して支給は、一括でまとめて支給する場合に使用。

 

仕入先支給品在庫の使用実績

外注品入庫処理時に、副明細に仕入先支給品在庫の出庫数量がBOMから理論値で指定されています。

デフォルトで副明細はOKフラグがOnになっているため、外注品入庫時に仕入先支給品在庫の出庫処理が自動でされるような仕掛けになっています。

もし外注先から仕入先支給品在庫の実際の使用数量・ロット番号の情報をもらえるのであれば、マニュアルで数量・ロットを入力し、保存をする運用とします。

 

また、外注品入庫のタイミングではなく、後から仕入先支給品在庫の出庫実績を計上をしたい場合、

  1. 外注品入庫時に、副明細(仕入先支給品在庫)のOKフラグを外す
  2. 「後続処理」にて、発注伝票参照で仕入先支給品在庫の出庫実績を計上

という順番で処理をします。

 

購買価格の考え方

外注で支払う価格は外注先の加工費のみ という考え方です。

  • 支給品を無償で支給。
  • 加工してもらった作業分のみ支払う。

という考え方です。

 

仕訳のイメージは、以下のようになります。

支給品 + 加工費 = 外注品 となります。

 

 

ここまでSAPの外注プロセスと、外注品・支給品の構成について、概要レベルで解説しました。

次の章で、品目外注(構外外注)、工程外注(構内外注)について解説していきます。

 

品目外注(構外外注)

品目外注とは、外注品の購買をすることで、外注先の工程を管理しないパターンです。

主には、自社の敷地外の外注先に委託することが多いため、「構外外注」とも言います。

 

プロセスフロー

品目外注の場合、以下の3ステップで流れます。

  1. 購買依頼・購買発注
  2. 支給品支給
  3. 1の購買発注伝票に対する外注品入庫(+支給品出庫)

 

マスタ設定

マスタは、以下の5つを設定する必要があります。

  • 品目マスタ
  • BOMマスタ
  • 仕入先マスタ
  • 購買情報マスタ
  • 製造バージョンマスタ

 

<品目マスタ>

外注品、支給品の品目マスタを登録

外注品は、発注するため、購買ビューの拡張が必須です。

 

<BOMマスタ>

親品目に外注品

子品目に支給品

を設定

 

<仕入先マスタ>

外注先を仕入先として登録

 

<購買情報マスタ>

外注品目と仕入先(外注先)を紐づける購買情報マスタを登録

 

<製造バージョンマスタ>

製造バージョンに、購買情報マスタをセットする項目があるので、上で登録した購買情報マスタの値をセットします。

品目外注において、ここの製造バージョンに購買情報マスタをセットするところが、自社の製造品と異なるポイントです。

 

工程外注(構内外注)

工程外注とは、外注先の工程実績も管理するパターンです。

主には、自社の敷地内の外注先に委託することが多いため、「構内外注」とも言います。

 

プロセスフロー

品目外注の場合、以下の3ステップで流れます。

  1. 製造指図登録(自動で購買依頼登録)
  2. 購買発注
  3. 支給品支給
  4. 1の製造指図に対する外注品入庫(+支給品出庫)
  5. 2の購買発注伝票に対する外注費計上のための入庫処理

 

 

品目外注と異なる点は、以下3点です。

  1. 製造指図登録により、自動で購買依頼が登録されること
  2. 製造指図に対して、外注品入庫・支給品出庫を計上すること
  3. 外注費計上のために、購買発注伝票のために入庫処理をしなければならないこと

 

マスタ設定

マスタは、以下の5つを設定する必要があります。

  • 品目マスタ
  • BOMマスタ
  • 作業区
  • 作業手順マスタ
  • 仕入先マスタ
  • 購買情報マスタ
  • 製造バージョンマスタ

 

<品目マスタ>

外注品、支給品の品目マスタを登録

外注品は、発注するため、購買ビューの拡張が必須です。

 

<BOMマスタ>

親品目に外注品

子品目に支給品

を設定

 

<作業区マスタ>

作業区マスタを登録

(原価計算の観点から、外注用作業区を分けて設定するのが一般的です。)

 

<作業手順マスタ>

外注フラグを設定した管理キーを指定

ここが自社の製造品と異なるポイントです。

 

<仕入先マスタ>

外注先を仕入先として登録

 

<購買情報マスタ>

外注品目と仕入先(外注先)を紐づける購買情報マスタを登録

 

<製造バージョンマスタ>

製造バージョンに上で設定したBOM・作業手順を指定

 

要件定義のポイント

ここまでSAPの外注機能について、解説してきました。

最後にSAPの外注機能を使用するうえで、要件定義のポイントをお伝えします。

 

ポイント1:仕入先支給品在庫の支給

支給した品目・ロットを都度、入出庫処理をする必要があるため、運用が可能かの検討が必要です。

また仕入先支給品在庫は自社資産のため、経理観点では管理すべきなため、在庫管理部門で仕入先支給品在庫の管理・運用が厳しい場合は、経理も巻き込んで検討を進めていきましょう。

 

ポイント2:仕入先支給品在庫の出庫実績

デフォルトでは仕入先支給品在庫の出庫実績はBOMの理論値から指定されています。

外注先から仕入先支給品在庫の出庫数量・ロット番号の情報を、発注伝票単位でもらえるのであれば、実績を入力する運用にするか、検討してみてください。

また、ロットトレースの観点上、ロット番号入力が会社として必須なのであれば、外注先に実績情報をもらえるよう交渉が必要になります。

 

ポイント3:工程外注の加工費計上単位

工程外注の場合、製造指図 → 購買発注 となるため、製造指図の単位で外注加工費の計上が必要になります。

製造指図の単位で加工費計上が可能なのか、運用を検討していかなければなりません。

 

サマリ

SAPの外注の考え方、品目外注・工程外注のプロセス・マスタ設定、要件定義時のポイントについて解説してきました。

外注は通常の生産・購買とは異なり、考え方が特殊です。

まずはユーザにSAPの外注の考え方を理解していただいたうえで、どう外注業務を実現していくかを検討していく必要があります。




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