【SAP】販売管理プロセスを概要レベルで解説!




この記事では、SD(販売管理)モジュールのプロセス概要とプロセスごとに出てくる伝票(トランザクション)について解説します。

プロセスの全体概要を理解することで、それぞれのトランザクションの細かい動きが理解できます。

まずはSDモジュールの全体プロセスを掴めるように、初心者の方でも分かるようにやさしく解説していきます。

全体プロセス

販売管理は、<受注> → <出荷> →  <請求>という3つのプロセスで構成されます。

  1. 受注 で、得意先からの発注を受注伝票に登録
  2. 出荷 で、自社にある在庫を得意先に送るための出荷指示伝票を登録し、在庫を出庫
  3. 請求 で、得意先へ請求するための請求伝票を登録

 

SDプロセスは、主にこの3つのプロセスの順番に流れます。

それでは1つずつ、どのようなプロセスなのか詳しく解説していきます。

 

受注

受注伝票には、

  • 得意先(受注先・出荷先)
  • 品目
  • 数量
  • 納期
  • 価格

などの情報を登録します。

登録は、SAPで直接マニュアルで登録することも可能ですが、最近では得意先とEDI(社外インターフェース)を使って受注伝票登録もよく使われます。

 

受注伝票の構造

受注伝票は、<ヘッダ> → <明細> → <納入日程行> の3段階構造になっています。

図にすると、このようになります。

 

<ヘッダ>

ヘッダは、受注番号がキーとなります。

  • 受注番号
  • 受注先
  • 出荷先
  • 得意先注文番号
  • 受注日付
  • 受注金額
  • 支払条件
  • 販売エリア
  • 出荷情報
  • 請求情報

といった情報が入ってきます。

 

<明細>

受注明細は明細番号がキーとなり、品目単位で明細レベルが分かれます。

受注明細の主な項目は

  • 品目
  • 数量
  • 単価

です。

 

<納入日程行>

納入日程行は納入日程がキーとなり、納入日付単位で納入日程行レベルが分かれます。

納入日程行の主な項目は、

  • 納入日付
  • 数量

です。

 

出荷

出荷伝票は、受注伝票をもとに登録します。

出荷伝票をとおして、

  • 在庫引当
  • ピッキング
  • 梱包(オプション)
  • 輸送計画・実行(オプション)
  • 出庫確認

ができます。(説明は、後ほどします。。。)

 

出荷伝票の登録

出荷伝票は、受注伝票参照で登録します。

そのため、受注伝票の情報(得意先・品目・数量・納入日付など)がコピーされて、登録されます。

登録は、必ずしも受注伝票と1:1である必要はなく、

受注伝票:出荷伝票

    • 1:1
    • 1:N
    • N:1

という3パターンが存在します。

 

1:Nの場合、受注明細 or 納入日程行レベルで、出荷伝票を複数に分割し、出荷することが可能です。

出荷の分割は、得意先マスタの設定で「一括納入フラグ」がOFFの場合に可能です。

 

N:1の場合、複数の受注を1つの出荷伝票にまとめることが可能です。

ただし、まとめるには条件があり、

  • 出荷先
  • 出荷ポイント
  • 輸送経路

が、同じということが条件になります。

 

在庫引当

出荷伝票登録時 または登録後に在庫引当をします。

在庫引当とは、出荷する製品ロットを指定することです。

もちろんマニュアルでもロット指定は可能ですが、利用在庫確認(ATPチェック)という機能を使って、自動でロット引当が可能です。

 

ピッキング

ピッキングを実施するために、出荷伝票に対して「転送指図」を登録します。

ピッキングが完了次第、後続の「出庫確認」(得意先への出庫)ができます。

ピッキングは出荷伝票上にステータスで管理されており、未完了・一部完了・完了 の3つで把握できます。

 

梱包(オプション)

梱包は、出荷伝票上で出荷する品目・数量を「荷役単位」に割り当てます。

梱包処理は、オプションのため必ずしも運用実施する必要はないので、業務ユーザと運用実施するかどうか検討が必要です。

梱包は梱包条件でマスタとして登録しておき、自動提案することも可能です。

 

輸送計画・実行(オプション)

輸送計画・実行はオプション運用ですが、「シップメント伝票」を使って、同じ運送業者・仕向地・輸送経路・輸送手段の出荷伝票を1つの輸送で管理することができます。

シップメント伝票から運賃計算を実行し、運送業者に対する買掛金を計上することができます。

 

出庫確認

出荷伝票上から「出庫確認」をすることで、

  • 製品在庫が引き落とされ
  • 出荷伝票上は出荷済みとなり
  • 請求対象となります

 

請求

請求伝票は、出荷伝票をもとに登録します。

出荷伝票参照の場合、出庫確認済みのものが請求伝票登録対象となります。

 

請求伝票登録

請求伝票は、出荷伝票参照で登録します。

そのため、出荷伝票の情報(得意先・品目・数量・納入日付など)がコピーされて、登録されます。

登録は、受注-出荷と同じ考えで、必ずしも出荷伝票と1:1である必要はなく、

出荷伝票:請求伝票

  • 1:1
  • 1:N
  • N:1

という3パターンが存在します。

 

1:Nの場合、受注明細で、出荷伝票を複数に分割し、請求することが可能です。

 

N:1の場合、複数の出荷を1つの請求伝票にまとめることが可能です。

ただし、まとめるには条件があり、

  • 支払人
  • 請求日
  • 支払条件

が、同じということが条件になります。

まとめるケースも事例としては多くて、1得意先に対して、月末一括請求をする場合は、1請求伝票に対して複数明細を持たせて登録します。

 

請求処理をすることで、裏で売掛金がのった会計伝票が登録されます。

後続処理として、FIモジュールでの債権業務につながっていきます。

 

業務プロセスと伝票フロー

販売プロセスは、<受注> → <出荷> →  <請求>という3つのプロセスで構成されているという話をしてきました。

最後に、各業務プロセスと登録される伝票の関係を整理します。

  • ①受注伝票 を参照し、②出荷伝票 を登録します。
  • ②出荷処理の中で、ピッキングによる”転送指図”・出庫確認による”入出庫伝票” が登録されます。
  • ②出荷伝票 を参照し、③請求伝票 を登録します。
  • ③請求伝票 を参照し、債権処理で 会計伝票が登録されます。(FIモジュール部分)

 

SAPでも伝票の紐づきが、「伝票フロー」の画面で参照可能です。

受注伝票:出荷伝票 = 1:N or N:1 の場合や 出荷伝票:請求伝票 = 1:N or N:1 の場合も、伝票フロー画面で紐づきが参照できます。

 

サマリ

SDの概要レベルでのプロセスとそれに紐づく伝票の解説をしてきました。

派生形はあるものの、SDの基本は<受注> → <出荷> →  <請求>という3つのプロセスです。

概要レベルを押さえられたと思うので、この考えをベースに各プロセスの理解を進めていってください。

また、ユーザに説明する際は、この概要レベルのプロセスと伝票について前提に説明し、要件定義・検討を進めていくとスムーズなので、必ず押さえておきたい内容です。




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ABOUTこの記事をかいた人

製造業界、素材産業にて、SAP ERPの導入・保守を経験。会社の情報システム部門→外資系コンサル会社→育休→独立(フリーランス)。 SAP導入プロジェクトの仕事をする傍ら、SAPに関する情報をブログで発信。