【SAP】販売伝票タイプ・明細カテゴリ・納入日程カテゴリについて徹底解説!




販売伝票タイプとは、受注伝票の動作をコントロールするキーとなる項目です。

それぞれの販売伝票タイプにより何が行われるかを理解し、業務ユーザとどのように販売伝票タイプを使い分けるか検討していく必要があります。

販売伝票タイプの理解は、販売プロセスの業務整理にも使え、販売トランザクションの一番のキーとなる項目です。

この記事では、どのような販売伝票タイプがあるか、それぞれどのようなコントロールがされるかを解説していきます。

販売伝票の構造

受注伝票は、<ヘッダ> → <明細> → <納入日程行>という3段階構造になっています。

ヘッダ:明細 = 1:N、 明細:納入日程行 = 1:N で紐づけることができ、以下のようなイメージで伝票登録ができます。

 

この<ヘッダ> → <明細> → <納入日程行>のそれぞれの動きや制御をするための設定項目が、<販売伝票タイプ> → <明細カテゴリ> → <納入日程カテゴリ>となります。

販売伝票タイプ・明細カテゴリ・納入日程カテゴリでは、カスタマイズにより様々な制御が可能です。

それでは、販売伝票タイプ・明細カテゴリ・納入日程カテゴリ で制御ができ、どのような伝票タイプ・カテゴリが標準であるのか解説していきます。

 

販売伝票タイプ

販売伝票タイプでは、このようなことが制御できます。

機能 具体例
販売エリア
  • 取引可能な販売エリアを制御
  • 例:製品部門:Z1 は、流通チャネル:Y1(ネット販売)のみとする といった制御をする
番号範囲
  • 販売伝票タイプごとに、伝票の番号範囲を指定
  • 番号範囲指定には、「内部採番(システム自動採番)」「外部採番(マニュアル採番)」の2種類がある
  • 例:標準受注は、1000000000-1999999999。クレジットメモは、5000000000-5999999999 といった設定をする
チェック
  • 得意先/品目情報マスタの読込、与信限度のチェック
初期値設定
  • 日付、出荷伝票タイプ・請求伝票タイプの設定
  • 出荷ブロック・請求ブロックによる後続プロセス実行可否制御(受注登録時は、出荷不可・請求不可にし、マニュアルでブロックを外すなど)
取引先決定表
  • 受注先・出荷先・請求先・支払人などの取引先をセットするかしないか制御
  • 例:クレジットメモの場合、出荷はないので、出荷先をセットしないように制御する
価格決定表
  • 価格構成を制御
  • 例:価格に、単価・物流費・値引き・税を含める といった制御をする
出力決定
  • 伝票の出力方法を制御(出力タイプの割当)
  • 例:受注伝票をプリンタに即時で印刷する といった制御をする
与信管理
  • 与信チェックをするかどうかの制御
  • 例:最大金額・再度与信確認(伝票に変更があった場合の再チェック)など、受注金額のチェックをかけるかどうかの制御をする
不完全決定表
  • 伝票で未入力ではNGな項目のチェック
  • 未入力NG項目がある場合、保存させるかエラーとするかの制御
  • 例:価格が未入力の場合、不完全伝票とし、保存時にエラーとさせる
出荷計画
  • 出荷計画を実行するかどうか制御

販売伝票タイプは、伝票全体にかける制御についてカスタマイズで設定をしていきます。

 

次に、よく使われる販売伝票タイプを紹介します。

コード 名称 使用ケース
IN 引合伝票
  • 引合→見積→受注 というプロセスフローで、引合伝票を使用する場合に使用
QT 見積伝票
  • 引合→見積→受注 というプロセスフローで、見積伝票を使用する場合に使用
OR 標準受注
  • 通常の受注で使用
  • 通常受注で、利用ケースを分けたい場合、ORをコピーし、用途別の伝票タイプを作成(例:国内販売と海外販売を分けたい場合、など)
FD 無償出荷
  • サンプルや試作品などを無償で出荷する場合に使用
SD 代替無償出荷
  • 出荷したものが不良品だった場合など、代替品を無償で出荷する場合に使用
RE 返品
  • 出荷したものが不良品だった場合など、出荷したものを返品入庫する場合に使用
CR クレジットメモ依頼
  • 売掛金のマイナス修正をしたい場合に使用
DR デビットメモ依頼
  • 売掛金のプラス」修正をしたい場合に使用

 

明細カテゴリ

続いて、明細カテゴリについてです。

明細カテゴリは、受注明細レベルのコントロールをする項目で、以下のようなことを制御できます。

機能 具体例
ビジネスデータのヘッダ・明細の整合チェック
  • 伝票ヘッダレベルと伝票明細レベルでのビジネスデータ(流通チャネル・製品部門など)が異なってもよいか
後続プロセスの制御
  • 後続のシステム上のプロセスの流れを制御
  • 例:(通常販売)受注→出荷→請求
  • 例2:(デビクレ)受注→請求
  • 例3:(返品)返品受注→入庫→請求(マイナス)
価格設定
  • 価格設定の実施有無
出荷設定
  • 汎用在庫から出荷するか、受注在庫から出荷するか
請求設定
  • 請求処理の実施有無 および請求方法の設定
  • 請求ブロックの有無
納入日程行
  • 納入日程行の有無を設定

 

次に、よく使われる明細カテゴリを紹介します。

コード 名称 使用ケース
AFN 引合の標準明細
  • 引合→見積→受注 というプロセスフローで、引合伝票を使用する場合に使用
AGN 見積の標準明細
  • 引合→見積→受注 というプロセスフローで、見積伝票を使用する場合に使用
TAN 標準受注受注
  • 通常の受注で使用
TAK 受注生産
  • 受注生産の場合に使用(出荷する在庫が受注在庫となる)
TANN 無償出荷明細
  • 無償出荷の場合に使用(標準受注から)
KLN 無償出荷明細
  • 無償出荷の場合に使用(代替無償出荷から)
TATX テキスト明細
  • 無償出荷の場合に使用(標準受注から)
TAS 仕入先直送
  • 仕入先(原材料メーカーなど)から直接得意先に直送する場合に使用
  • データ上は一度自社資産になり、出荷・請求としていく
TAB 個別購買発注
  • 受注から直接発注が登録され、発注品目を得意先に出荷する場合に使用
REN 返品
  • 出荷したものが不良品だった場合など、出荷したものを返品入庫する場合に使用
G2N クレジットメモ依頼明細
  • 売掛金のマイナス修正をしたい場合に使用
L2N デビットメモ依頼明細
  • 売掛金のプラス」修正をしたい場合に使用

 

納入日程カテゴリ

続いて、納入日程カテゴリについてです。

納入日程カテゴリは、受注納入日程行レベルのコントロールをする項目で、以下のようなことを制御できます。

機能 具体例
出荷関連
  • 出荷ブロックの有無を設定
移動タイプ
  • 出荷時の移動タイプを設定
発注関連
  • 個別購買発注の場合、購買発注タイプ・発注明細カテゴリ・勘定カテゴリの設定をする
利用可能在庫確認
  • 利用可能在庫を確認し、在庫の引当をするかしないか設定
所要量転送
  • 所要量転送をするかしないか設定
不完全チェック
  • 必須項目のチェックをし、未入力の場合、不完全伝票とする

 

次に、よく使われる納入日程カテゴリを紹介します。

コード 名称 使用ケース
AT 引合納入日程
  • 引合→見積→受注 というプロセスフローで、引合伝票を使用する場合に使用
BN 見積納入日程
  • 引合→見積→受注 というプロセスフローで、見積伝票を使用する場合に使用
CP 受注納入日程(MRPあり)
  • 標準受注で使用
  • 利用可能在庫確認はなし
CV 受注納入日程(消費主導型MRP)
  • 標準受注で使用
  • 利用可能在庫確認はあり
DN 返品納入日程(MRPなし)
  • 出荷したものが不良品だった場合など、出荷したものを返品入庫する場合に使用

 

伝票タイプ・カテゴリの割当方法

続いて、納入日程カテゴリ → 明細カテゴリ → 伝票タイプの割当について解説します。

 

販売伝票タイプへの明細カテゴリの割当

明細カテゴリは、以下4つの項目をキーに設定します。

  • 販売伝票タイプ
  • 明細カテゴリグループ(品目マスタ(販売組織2)に明細カテゴリグループを指定)
  • 明細用途
  • 上位明細の明細カテゴリ

4項目をキーに、「自動提案される明細カテゴリ」と「マニュアル指定可能な明細カテゴリ」を設定します。

 

明細カテゴリへの納入日程カテゴリの割当

納入日程カテゴリも、明細カテゴリを販売伝票タイプへの割当と同様に、キー項目単位で割当設定をします。

納入日程カテゴリは、以下2つの項目をキーに設定します。

  • 明細カテゴリ
  • MRPタイプ(品目マスタ(MRP1)にMRPタイプを指定)

2項目をキーに、「自動提案される明細カテゴリ」と「マニュアル指定可能な明細カテゴリ」を設定します。

 

サマリ

販売伝票タイプ・明細カテゴリ・納入日程カテゴリについて、解説してきました。

ここまでの解説で、これら3つの項目が販売伝票におけるコントロールキーということを理解いただけたかと思います。

特に販売伝票タイプ・明細カテゴリは、クライアントの販売業務パターンを反映する必要があります。

そのため要件定義時には、販売伝票タイプ・明細カテゴリをどう設定するかを念頭に置きながらクライアントと検討をしていく必要があります。

細かい制御までの説明は不要ですが、クライアントも販売伝票タイプ・明細カテゴリ・納入日程カテゴリがどういうものかを理解していただいた方が検討もスムーズなので、簡潔に説明できるとベターです。




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ABOUTこの記事をかいた人

製造業界、素材産業にて、SAP ERPの導入・保守を経験。会社の情報システム部門→外資系コンサル会社→育休→独立(フリーランス)。 SAP導入プロジェクトの仕事をする傍ら、SAPに関する情報をブログで発信。