【SAP】ロットサイズ決定方法について徹底解説!




SAPではロットサイズを設定することにより、生産設備条件や仕入先との契約条件に合わせて、MRPによる手配数量を適切に算出することができます。

ロットサイズは品目マスタ単位で設定をする必要があり、実際に使うとなればミリミリとしたメンテナンスが必要になります。

どのように設定すれば、想定通りの手配数量になるか、クライアントに説明も必要になってきます。

この記事では、どのようにロットサイズを設定し、どのようにロットサイズが決まるのかパターンごとに分けて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ロットサイズの設定

ロットサイズとは、MRP実行時にいくら生産・購買するか、手配数量のことです。

ロットサイズは、以下3つの項目値をベースに算出されます。

項目名 定義
最小ロットサイズ
  • 最小でいくらから生産・購買ができるかを決める数量のこと
最大ロットサイズ
  • 最小でいくらまで生産・購買ができるかを決める数量のこと
丸め数量
  • いくらずつ生産・購買ができるかを決める数量のこと
  • 例)ポッキーは1ダースずつしか生産できないので、丸め数量=12本と設定する

この3つの項目は、品目マスタ-MRP1ビューで設定します。

この品目マスタに設定された3つの項目値とMRPで算出された所要量からロットサイズが決定されます。(詳しくは後ほど説明します)

 

(参考)丸めプロファイル

丸め数量とは別に「丸めプロファイル」という項目があります。

丸めプロファイルは、丸め数量よりも細かく丸めの数量を設定したい場合に使います。

丸め数量の場合、例えば 設定値を”5” としておけば、ロットサイズは 5, 10, 15, 20, 25。。。と5の倍数の数量になります。

丸めプロファイルは、もっと細かく設定できます。 設定は以下のようにします。

しきい値 丸め数量
5 10
35 50

この場合、所要量とロットサイズの関係はこのようになります。

所要量 ロットサイズ 備考
4 4 しきい値を超えてないので、丸められずにそのままの数量となる
6 10 しきい値5を超えたので丸め数量10が効く
11 20 しきい値5を超えたので丸め数量10が効く
21 30 しきい値5を超えたので丸め数量10が効く
31 40 しきい値5を超えたので丸め数量10が効く
36 50 しきい値35を超えたので丸め数量50が効く
41 50 しきい値5を超えたので丸め数量10が効く
70 100 しきい値35 (35×2=70)を超えたので丸め数量50が効く

丸めプロファイルを使うケースとしては、梱包材 Mが丸め:10、梱包材 Lが丸め:50 など、制約がある場合に使用することがあります。

 

パターンごとのロットサイズ決定方法

それではパターンごとのロットサイズ決定について説明します。

使用する項目は、品目マスタの設定項目3つ + 所要量です。

  • 最小ロットサイズ
  • 最大ロットサイズ
  • 丸め数量
  • 所要量

 

パターンとしては、以下18パターンが考えられます。(他はだいたいこれの応用でいけます。)

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量
1 100 Blank Blank 90
2 Blank 200 Blank 110
3 Blank 200 Blank 210
4 Blank Blank 100 90
5 Blank Blank 100 110
6 100 200 Blank 90
7 100 200 Blank 110
8 100 200 Blank 210
9 100 Blank 110 90
10 100 Blank 110 105
11 100 Blank 110 120
12 Blank 200 90 110
13 Blank 200 110 120
14 100 200 80 70
15 100 200 80 90
16 100 200 80 100
17 100 200 80 170
18 100 200 80 210

それではパターンごとにロットサイズがいくらになるか、ケーススタディとして解説していきます。

 

パターン1

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
1 100 Blank Blank 90 100

最小ロットサイズの値を満たすため、ロットサイズ=100になります。

 

パターン2

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
2 Blank 200 Blank 110 110

最大ロットサイズ以下であれば、所要量=ロットサイズとなります。

 

パターン3

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
3 Blank 200 Blank 210 200, 10

最大ロットサイズを超えた場合、計画手配1はロットサイズ=200、超えた分だけ別の計画手配2が作られロットサイズ=10となります。

 

パターン4

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
4 Blank Blank 100 90 100

丸め数量が効いて、ロットサイズ=100となります。

 

パターン5

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
5 Blank Blank 100 110 200

丸め数量が効いて、ロットサイズ=200(丸め数量の倍数)となります。

 

パターン6

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
6 100 200 Blank 90 100

最小ロットサイズの値を満たすため、ロットサイズ=100になります。

 

パターン7

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
7 100 200 Blank 110 110

最小ロットサイズ以上・最大ロットサイズ以下であれば、所要量=ロットサイズとなります。

 

パターン8

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
8 100 200 Blank 210 200, 100

最大ロットサイズを超えた場合、計画手配1はロットサイズ=200、超えた分だけ別の計画手配2が作られ、こちらは最小ロットサイズを満たすためロットサイズ=100となります。

 

パターン9

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
9 100 Blank 110 90 100

最小ロットサイズの値を満たすため、ロットサイズ=100になります。

 

パターン10

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
10 100 Blank 110 105 110

丸め数量が効いて、ロットサイズ=110となります。

 

パターン11

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
11 100 Blank 110 120 220

丸め数量が効いて、ロットサイズ=220(丸め数量の倍数)となります。

 

パターン12

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
12 Blank 200 90 110 180

丸め数量が効いて、ロットサイズ=180(丸め数量の倍数)となります。

 

パターン13

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
13 Blank 200 110 120 200

丸め数量が効いて、ロットサイズ=220(丸め数量の倍数)となるところ、最大ロットサイズが効いて、ロットサイズ=200 となります。

 

パターン14

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
14 100 200 80 70 100

最小ロットサイズの値を満たすため、ロットサイズ=100になります。(この場合、丸め数量が最小ロットサイズより小さいので効かない)

 

パターン15

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
15 100 200 80 90 100

最小ロットサイズの値を満たすため、ロットサイズ=100になります。(この場合、丸め数量が最小ロットサイズより小さいので効かない)

 

パターン16

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
16 100 200 80 100 160

丸め数量が効いてロットサイズ=160となります。(最小ロットサイズ=所要量の場合、丸め数量が効きます)

 

パターン17

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
17 100 200 80 170 200

丸め数量が効いて、ロットサイズ=240(丸め数量の倍数)となるところ、最大ロットサイズが効いて、ロットサイズ=200 となります。

 

パターン18

# 最小ロットサイズ 最大ロットサイズ 丸め数量 所要量 ロットサイズ
18 100 200 80 210 200, 100

最大ロットサイズを超えた場合、計画手配1はロットサイズ=200、超えた分だけ別の計画手配2が作られ、こちらは最小ロットサイズを満たすためロットサイズ=100となります。

 

サマリ

ロットサイズの設定方法と、パターンごとのロットサイズの決まり方について解説してきました。

ロットサイズは品目マスタ単位で設定し、3つの項目の設定ごとにどのようにロットサイズが決まるかご理解いただけたかと思います。

実際にロットサイズを使用し、MRPをすることになった場合に、どのように値を設定すればいいか説明が求められると思うので、この記事が少しでも参考になればと思います。




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ABOUTこの記事をかいた人

製造業界、素材産業にて、SAP ERPの導入・保守を経験。会社の情報システム部門→外資系コンサル会社→育休→独立(フリーランス)。 SAP導入プロジェクトの仕事をする傍ら、SAPに関する情報をブログで発信。