【SAP】バックフラッシュについて徹底解説!




生産実績計上時に構成品目を理論値で出庫することをSAPでは「バックフラッシュ」と呼びます。

この記事では、バックフラッシュをするための設定方法・処理方法について解説していきます。

バックフラッシュとは

バックフラッシュとは、生産実績計上で構成品目を理論値で出庫することです。

出庫する数量が正確に測れないケースで使用します。

例えば、液体などを生産で使う場合、正確に何リットル、何グラム使ったか測れないことがあります。

バックフラッシュを使えばBOMのヘッダ品目の生産数量見合いで、構成品目を出庫します。
分かりやすく図を使って説明します。

次のようなBOMがあったとします。

  • (生産品)半製品A:10 PC
  • (構成品)原材料B:10 PC
  • (構成品)原材料C:150 KG ←品目マスタでバックフラッシュONに設定

このとき、原材料BはバックフラッシュOFFなので、実際に出庫した数量を入力。

原材料Cは、半製品Aの生産数量見合いで、自動で出庫。 つまりBOMで10PC:150KGなので、生産数量が20PCであれば、原材料は300KGとなります。

 

バックフラッシュ実行のためのマスタ設定

続いて、SAPでバックフラッシュを実行するためにするマスタ設定について解説します。

バックフラッシュは、品目マスタ・作業区マスタにて設定します。

それでは1つずつ解説していきます。

品目マスタ

バックフラッシュの実行する・しないは、品目マスタ x プラント単位で設定します。

設定箇所は、品目マスタ-MRP2ビューです。

設定値は、以下2つから選択可能です。

1 常にバックフラッシュ
2 作業区によりバックフラッシュを決定

1(常にバックフラッシュ)の場合、どんな場合でもBOMの理論値で自動出庫されます。

2(作業区によりバックフラッシュを決定)の場合、作業区でバックフラッシュフラグがONの場合のみ、BOMの理論値で自動出庫されます。(作業区の設定についてはこの次に説明します)

 

作業区

品目マスタで解説したとおり、作業区でバックフラッシュフラグON・OFFの設定をします。

品目マスタで2(作業区によりバックフラッシュを決定)、かつ 作業区でバックフラッシュフラグがONの場合のみ、BOMの理論値で自動出庫されます。

 

例えば、同じ液体A でも作業区:溶解では液体Aの出庫数量をカウントできない(計測器がないなどで)、作業区:混合では実績入力できる としたい場合は、

  • 品目マスタ:2(作業区によりバックフラッシュを決定)
  • 作業区:溶解 バックフラッシュON
  • 作業区:混合 バックフラッシュOFF

と設定します。

 

バックフラッシュ処理方法

続いて、バックフラッシュ(理論値払出)がどのタイミングでされるか、生産の全体の流れも含めて解説していきます。

まず生産プロセスはこちらの5ステップで処理されます。

  1. BOMマスタ設定
  2. 製造指図登録
  3. 入庫実績入力
  4. 出庫実績入力
  5. 作業時間入力

※③~⑤の入庫・出庫・作業時間の実績入力の順番は、どの順で実施しても問題なしです。

 

バックフラッシュなし・ありを比較したイメージは、以下のようになります。

違いは以下2点です。

④出庫実績入力

バックフラッシュなし 実際に生産に使用した構成品の数量を計上します
バックフラッシュあり 入出庫画面では何も処理しません

 

⑤作業時間入力

バックフラッシュなし 通常どおりの処理で作業時間を計上します。
バックフラッシュあり 作業時間入力画面の「歩留」の数量見合いで、保存時に構成品が自動出庫登録されます。

 

在庫数量調整

バックフラッシュを使用すると、理論値で在庫が出庫されていきます。

そのため実際の在庫数量と差異が出てきます。

この差異をどう埋めるかというと、月末の棚卸にて理論在庫数量と現場在庫数量の差異調整をします。

棚卸プロセスについては、こちらの記事でまとめてますのでご覧ください。

 

サマリ

ここまででバックフラッシュとは何か、どこで設定するか、どう処理するとバックフラッシュ(自動出庫)ができるかを理解いただけたかと思います。

どの企業でも実際の出庫数量を計測できない、ということは起こりえます。 また、実際原価計算のために指図に対する出庫数量を入れる必要が出てきます。

そのときにこのバックフラッシュを使えば、理論値で自動出庫ができます。

一番いいのは実際の出庫数量を計上できるのがいいのですが、できない場合が出てくるので、クライアントと検討し、バックフラッシュという機能があることを説明いただければと思います。




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ABOUTこの記事をかいた人

製造業界、素材産業にて、SAP ERPの導入・保守を経験。会社の情報システム部門→外資系コンサル会社→育休→独立(フリーランス)。 SAP導入プロジェクトの仕事をする傍ら、SAPに関する情報をブログで発信。