クレジットメモ・デビットメモとは、顧客からのクレーム等で一度請求した金額に対して、値引き or 追加請求の対応をする処理のことです。
この記事では、クレジットメモ・デビットメモとは何か・クレジットメモ・デビットメモの処理プロセスについて解説していきます。
Contents
クレジットメモ・デビットメモとは
クレジットメモ・デビットメモとは、一度した請求に対して、値引き or 追加請求をすることです。
- クレジットメモ:値引き
- デビットメモ:追加料金
※クレジットメモ・デビットメモは、略してクレメモ・デビメモ、と呼んだりもします。
- クレジット(Credit)=貸方
- デビット(Debit)=借方
という英訳になります。
クレジットメモ・デビットメモの業務が発生する理由として、以下2点が主に上げられます。
- 数量差異
- 価格差異
【数量差異の例】
- 受注伝票上は10 PC で9 PC しか出荷していなかったため、1 PC分だけ値引き
- 受注伝票上は10 PC で10 PC 出荷したが、 2 PC 不良品が入っていたため、2 PC分だけ値引き
【価格差異の例】
- 受注伝票上は100 円だったが、今月から10 PC以上お買い上げの場合、5%OFFでシステムに反映されていなかったため、5%分だけ値引き
※実際には、クレジットメモ・デビットメモで、請求金額を後から調整する業務もありますが、追加で製品を再度出荷する場合には、無償出荷の対応をします。
クレジットメモ・デビットメモのプロセス
それではSAPでのクレジットメモ・デビットメモの処理プロセスについて解説していきます。
プロセスフロー
大前段として、受注 → 出荷 → 請求までの処理をしており、請求に対して値引き(クレジットメモ)or 追加料金(デビットメモ)の対応をしていく処理です。
そのため、このようなフローになります。

クレジットメモ依頼を登録し、それに対してクレジットメモを登録していきます。
また、クレジットメモ依頼は、大元の請求伝票 or 受注伝票から参照登録をします。
※デビットメモ依頼も、クレジットメモ依頼と同じプロセスフローになります。(伝票タイプが異なるだけ)
なぜ請求伝票からではなく、受注伝票からもするの? という疑問が出てくるかと思います。
請求伝票は、複数の受注伝票をまとめて一括請求をすることができます。 そのため、ピンポイントでこの受注伝票の数量・金額が違っていた!という得意先からのクレームがあった場合、受注伝票参照でクレジットメモ依頼を登録することも可能になっています。
※正方向の通常の受注 → 出荷 → 請求 の処理については、こちらの記事で解説していますので、気になる方は読んでみてください。
クレジットメモ依頼・デビットメモ依頼登録(T-code:VA01)
まずは大元の請求伝票 or 受注伝票参照で、クレジットメモ依頼 or デビットメモ依頼を登録します。
(画面上部の「参照登録」ボタンをクリックし、伝票番号を入力し、クレメモ依頼・デビメモ依頼を登録していきます。)
伝票タイプは、、、
- クレジットメモ依頼の場合、“CR”
- デビットメモ依頼の場合、“DR”
「受注タブ」の「受注理由」に値を入れなければ、Warningが出るようになっているため、数量差異・価格差異などの受注理由を入れる「受注タブ」の「受注理由」に値を入れるようにします。
クレジットメモ依頼・デビットメモ承認(T-code:VA02)
承認する場合、「明細概要タブ」の「請求ブロック」をBlankにする
これにより、クレジットメモ・デビットメモ登録処理に移ることができます。
仮に承認拒否をする場合、「明細概要タブ」の「拒否理由」に承認拒否の理由をセットすることで、クレジットメモ・デビットメモの登録処理へ移れないようにします。
クレジットメモ・デビットメモ登録(T-code:VF01)
クレジットメモ依頼・デビットメモ依頼の承認がされたのち、クレジットメモ・デビットメモの登録ができるようになります。
クレジットメモ・デビットメモは、T-code:VF01 より、クレジットメモ依頼・デビットメモ依頼を参照し登録します。
伝票タイプは、、、
- クレジットメモの場合、“G2”
- デビットメモの場合、“L2”
サマリ
クレジットメモ・デビットメモは、得意先からのクレームや請求金額に差異がある場合に実施する業務です。
どの企業でも必ず存在プロセスです。
この記事で、クレジットメモ・デビットメモのコンセプト・プロセスを理解いただけたら幸いです。
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