MRPとは?? 【生産管理システムの基本】




MRP(Material Requirement Planning)とは、日本語でいうと、所要量計算のことです。

所要量計算って何じゃそりゃ??

って方は、この記事を読むと、MRPのMぐらいはわかるようになります。

 

MRPをするためには、BOMマスタの設定が必須になります。

BOMのことを知らない! って方は、こちらの記事をまずは読んでみてください。

BOMとは?? 【生産管理システムの基本】

MRPって何のためにあるの?

モノを生産するのに、必要な原材料や中間品・半製品の数が決まってきます。

 

例えば、ガンダムを1体組み立てるのに、

  • 頭:1コ
  • 腕:2本
  • 足:2本
  • 胴体:1コ
  • 武器:1コ

とパーツの必要数量は決まっています。

 

同じように車を作るときや、薬を作るときや、ビルを作るときに、必要な原材料や中間品・半製品というのは決まってくるのです。

 

MRPは、それらの原材料や中間品・半製品の必要な数量を算出するためにある考え方です。

また、1つモノを作るのに、どれだけの原材料や中間品・半製品が必要なのかは、BOMマスタにツリー形式に予め設定をしておく必要があります。

 

例えば、ガンダムを3体作ろうとすると、それぞれパーツは、

  • 頭:3コ
  • 腕:6本
  • 足:6本
  • 胴体:3コ
  • 武器:3コ

必要、と所要量が計算されます。

なので、

  • 調達部門は、それぞれのパーツを必要な数量だけ、購入してね。
  • 製造部門は、調達部門が買ってきたパーツを使って必要な数量だけ、製造してね。

というように、MRPの結果を使います。

 

MRPが存在する理由は、

  • 調達部門でいくら部品・原材料の購入が必要なのか、
  • 製造部門で、いくら半製品・製品を生産する必要があるのか、

ということを算出するためにあります。

 

MRPに現在庫・入庫予定などを考慮する理由

MRPの計算は、簡単な例だと、先ほどのガンダムを3体作る例です。

 

けれど、本来は工場の場合、在庫がすでにあったり、購買発注をすでに出していて、入庫予定になっているものもあります。

具体的にいうと、頭の在庫がすでに2コある場合、1コだけ頭を買えばいいのです。

すでに足4本の購買発注をすでに登録しており、明日4本入荷予定であれば、足2本分の購買発注を新規で登録するのみでよいのです。

 

でも、ガンダムの製造が必要になった都度、在庫や入庫予定に関係なく、計算すれば、シンプルだし、よくないか? と思う人もいるかと思います。

ぼくも生産管理を始めたばかりのときは、計算が面倒だし、必要な分だけ、所要量を出せばいいでしょ。 と思っていました。

 

けれど、「部品はまとめて買った方が安い!」ということが、よくあります。

足4本より、40本まとめ買いの方が20%もお得! という場合、まとめて買って、在庫として保管しておく、ということがあります。

 

なので、在庫や入庫予定を含める必要があるのです。

 

MRPの計算方法

MRPには、以下の数量を考慮にいれます。

名前 内容
所要量 必要な数量
在庫 今の在庫数量
入庫予定 入ってくる予定の数量
出庫予定 出ていく予定の数量
安全在庫 もしもの時のために、キープしておく在庫

上の5つの情報をもとに、製造・購買の計画数量を計算します。

 

計画数量を出すための計算式は、このようになります。

(計画数量) = (所要量) – (在庫) – (入庫予定) + (出庫予定) + (安全在庫)

 

所要量に対して、すでにある分(在庫)、これから入ってくる分(入庫予定)は、新しく製造・購買をする必要がないので、マイナスします。

これから出ていく分(出庫予定)、キープしておかなければならない分(安全在庫)は、新しく製造・購買をする必要があるので、プラスします。

 

以下の場合、ガンダムを10体作って、と受注が入ってきたとき、頭を新しく購買しなければならない数量は、

項目 数量 説明
所要量 10 ガンダムが10体必要なので、頭も10コ必要
在庫 4 今、倉庫に10コ在庫がある
入庫予定 2 頭を2コ発注済みで未入荷のものがある
出庫予定 3 1つ前の受注で、3コ使う予定がある
安全在庫 1 1コはもしもの時のために、置いておく必要がある

(計画数量) = (所要量) – (在庫) – (入庫予定) + (出庫予定) + (安全在庫)

10 – 4 – 2 + 3 + 1 = 8 (計画数量)

8コ、新たに頭の購買発注を登録する必要がある、ということがMRPの計算により、わかりました。

 

MRPを計算するときの注意点

入出庫実績をきっちり入力しよう

先ほども出てきたとおり、MRPは「入庫予定」・「出庫予定」を考慮します。

なので、買った実績(入庫)・売った実績(出庫)・製品/半製品を作った実績(入庫)・半製品/原材料を使った実績(出庫)を、きっちりとリアルタイムに、システムに入力する必要があります。

 

システム上の数量が現場の数量と異なると、

  • 購買した数量で足りない!
  • 在庫過剰で置き場がない!

ということがおきてしまします。

 

そのため、実績数量はシステムにきっちり入れましょう!

 

作業能力は考慮しない

MRPは、所要量に対して、必要な製造数・購買数の計画数量を計算するのみです。

 

例えば、あなたの工場で、ガンダムは1日10体作れる能力があるとします。

  • 受注1が、4月28日を納期に30体
  • 受注2が、4月29日を納期に20体、
  • 受注3が、4月30日を納期に40体

入ってきたとします。

MRPで計算すると、こんな感じになります。

ほかの受注(所要量)は、考慮しないので、4/26、27、28が、過剰負荷になっていることがわかります。

 

通常、MRPのあとに、能力計算の作業をおこないます。

 

余談ですが、MRPは作業負荷を考慮に入れず、積み上げのみをするため、『負荷山積』と呼び、

能力計算は、『負荷山崩し』と呼びます。

 

能力計算については、別の記事で解説します。

 

さいごに

MRPとはどんなことをやっているか、わかっていただけたでしょうか?

今回は、みんな大好き、ガンダムを例に、わかりやすく説明しました。

実際に、あなたの会社や、通常のメーカーであれば、BOM階層がもっと多いので、なぜこの計画数量になったのか、解読するのには時間がかかるかもしれません。

けれど、MRPの計算式のベースは、上で説明したものです。

あなたの会社の計画数量が、どのようにはじき出されているか、一度確認してみてはいかがでしょうか。

身近なもののMRPを見てみると、一気に理解が深まりますよ。




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ABOUTこの記事をかいた人

製造業界、素材産業にて、SAP ERPの導入・保守を経験。会社の情報システム部門→外資系コンサル会社→育休→独立(フリーランス)。 SAP導入プロジェクトの仕事をする傍ら、SAPに関する情報をブログで発信。