SAPはグローバルスタンダードのシステムのためSAPの生産計画の考え方は、他のERPや生産管理システムでも、ほぼ同様の考え方となります。
この記事では、まずは生産計画の概要について解説します。
生産計画の流れ
まずはSAPの生産計画の流れについて説明します。
SAPの生産計画は、以下の4つのステップで進みます。
- 計画独立所要量登録 or 受注登録
- MPS・MRP(所要量計画)
- 生産能力所要計画
- 計画手配→製造指図・購買依頼へ変換
①計画独立所要量登録 or 受注登録
まずは計画を立てるうえでの、ベースとなる製品の数量を登録します。
- 見込生産の場合:計画独立所要量登録
- 受注生産の場合:受注登録
計画独立所要量登録
見込生産の場合、対象の製品がいくら必要なのかを「計画独立所要量」として登録します。
(T-code:MD61)
計画独立所要量は、月・週・日と登録する単位を指定できます。
例えば、日単位に、何日にいくら生産が必要なのかをT-code:MD61で登録していきます。
イメージは、以下のような感じで、各日にちにいくら製品が必要なのか、品目単位で数量を登録していきます。
| 品目コード | 10/1 | 10/2 | 10/3 | 10/4 | 10/5 | 10/6 | 10/7 | 10/8 | 10/9 |
| 製品A | 100 | 300 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 300 |
| 製品B | 300 | 400 | 300 | 400 | 300 | 400 | 300 | 400 | 300 |
見込生産の場合は、T-code:MD61で登録された、計画独立所要量をもとに生産計画が立てられていきます。
受注登録
受注生産の場合、製品の受注数量をもとに生産計画が立てれらていきます。
(T-code:VA01)
②MPS・MRP(所要量計画)
①で登録された「計画独立所要量」or「受注数量」をもとに、製品に紐づく「半製品」・「原材料」がいくら必要なのかを算出します。(所要量計算と呼びます。)
- MPSとは、Master Production Schedule の略で、「半製品」のための言葉。つまり、最終的に製造指図につながります。
- MRPとは、Material Requirement Planning の略で、「原材料」のための言葉。 つまり、最終的に購買依頼につながります。
MPS・MRPと半製品向け・原材料向けと言葉を使い分けますが、所要量算出の計算ロジックはどちらも同じです。
(T-code:MD01N)
ERP 6.0 までは、T-code:MD01 でしたが、S/4 HANAからは、T-code:MD01N(MRP Live) を使います。
MD01との相違点は、MPS・MRPが一括で実行される点です。
データベースがHANAになったことにより、処理が高速化されたため、MPSだけ実行・MRPだけ実行と分けずとも実行可能になったことが背景にあります。
MPS・MRPのロジックについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、見てみてください。
③生産能力所要計画
②の所要量計算をもとに、生産能力計算をします。
あくまで②の所要量計算は、いつまでに・いくら必要か ということを計算するのみです。
そのため、実際に生産能力を超えた所要量になってしまうこともあります。
そのため、③生産能力所要計画により、生産の負荷分散をします。
(T-code:CM25)
③の生産能力所要計画をすることにより、
- 並列タスクで所要日に生産が間に合うのか
- 残業や休日出勤で生産しないといけないのか
- 所要日付を後ろにズラす社内調整をするのか
という選択が可能になります。
生産能力計画については、こちらの記事で詳しく解説しているので、見てみてください。
④計画手配→製造指図・購買依頼へ変換
②MPS・MRP(所要量計算)をすることで、「計画手配」が登録されます。
「計画手配」とは、製造指図・購買依頼の1つ前の状態で、「生産予定」・「購買予定」を表す伝票です。
②MPS・MRP(所要量計算)後、もしくは③生産能力所要計画後に、生産計画として実行可能という判断になれば、「計画手配」を「製造指図」・「購買依頼」に変換します。
(計画手配→製造指図一括変換 T-code:CO41)
(計画手配→購買依頼一括変換 T-code:MD15)
サマリ
SAPの生産計画の流れについて、解説してきました。
まとめると、以下のポイントを理解すれば、OKです。
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生産計画の検討は、計画独立所要量・受注のところは、営業などの販売部門と、MRPで算出される「原材料」の発注計画は、調達部門と、検討をしていく必要があります。
生産計画に感度のないユーザと検討していく必要があるため、ユーザと検討するときは、生産計画の概要をざっくりと説明したうえで、理解レベルを合わせた状態で、検討に入っていくことをおすすめします。








