コロナの影響でどこの会社もリモートワークを積極的に採用するようになった昨今、SAPコンサルの方もリモートワークになったところも多いのではないでしょうか?
一方で、クライアント要望や自社がリモートワークを認めないため、今までどおりの働き方をしている人も中にはいると思います。
特に40,50代のマネージャークラスは、対面での打合せがベストと考える人も多いです。
やはりコンサルは、打合せでソリューション検討・課題解決をするのが仕事です。
そのため、対面で相手の表情やちょっとした仕草から、相手の伝えたいことをキャッチして、要件を深く詰めることができていました。
そんな方たちにとって、リモートワークでコンサルするのはパフォーマンスが落ちる! と思っている方もいらっしゃると思います。
実際に私は2020年2月から、リモートワークでSAPコンサルとして、要件定義・設計・開発・テストフェーズをこなしてきました。
ちょっとした工夫・相手への配慮は必要ですが、リモートワークでも問題なく働けている と思っています。
そんな私が、SAPコンサルとしてリモートワークする際に、工夫する点・配慮する点を、この記事で解説していきます。
フェーズごとの打合せ
まずはフェーズごとにどんな打合せがあるか、見ていきましょう。
フェーズ | 打合せ | 相手 |
要件定義 |
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設計・開発 |
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テスト |
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教育 |
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本稼働後サポート |
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プロジェクト全体 |
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細かいことを言えば、もっとたくさんありますが、だいたいどのプロジェクトで共通しているのは、上記に挙げた打合せが多いです。
そしてポイントは、クライアントとの打合せと、内部の打合せでは注意するポイントが違うという所です。
それではリモートワークでの打合せで注意するポイントを話していきます。
注意するポイント(対 クライアント)
資料準備
まずクライアントとの打合せで重要なのが「資料の準備」です。
リモート会議のため、時間どおりに進むか、想定した着地点に行けるか、分かりません。
しかし、プロジェクトの期間は限られていますし、1つ1つの打合せを漏れなく効率的に進めていく必要があります。
そのため、事前の資料準備が大切なのです。
会議をするということは、何を検討するかが決まっているはずです。
検討をどう持っていきたいか、どう着地させたいかを事前にストーリーを描き、資料に落とし込んでおくのがベストです。
これまで60%くらいの資料で会議に臨んでいたのを、70~80%くらいの仕上がりで臨むのがベストです。
会議冒頭
会議冒頭で、参加者1人1人に出欠確認も込めて、声をかけます。
声をかけることで、一応参加している という気持ちを切り、声かけられるんだ という気持ちにさせます。
リモート会議だと、相手が何をしているか(内職しているか)分からないので、会議冒頭でしっかり会議に参加するスタンスを取ってもらうことが重要です。
会議中
会議中、特に要件定義フェーズのときは、弊社チーム内のみでチャットができるのがベターです。
会議中に出てきた課題・SAPの挙動で分からないことなど、スピーカー以外の人が調査するためです。
そのため、マルチディスプレイにし、一方で資料投影しつつ、一方では弊社チーム内チャットを広げておくことをおすすめします。
また、マルチディスプレイだと投影していない側のディスプレイに議事メモも書けるので、To Do・決定事項の整理も合わせてしやすくなります。
会議終了前
会議終了前には、To Do・決定事項の確認をしておきましょう。
対面の打合せのように、何となく という形で終わるのは悪手です。
リモートだからこそ、最後はしっかりと今後やるべきことを押さえておきましょう。
また会議内で消化しきれない検討事項なんかも残ることはあります。
そのため、関係者が揃っているこの場で、次回打合せ日程調整をしておくとスムーズです。
(会議後にメールで調整すると工数がかかるので、できるだけ会議内で調整しきりましょう)
リモート会議では、対面打合せと違って、会議後の談笑の時間がありません。
また、リモートワークになることにより、今まで以上にコミュニケーションが必要になってきたため、打合せが隙間なく入ります。(特にマネージャー以上は)
これは相手も同じため、会議の時間配分・コントロールがより重要になり、かつスパッと区切りの良いところで終わらせることが必要になります。
そのため、事前の資料準備をしているときから、どういうペース配分で会議をするかを想定しておくことが、リモート会議では重要になります。
注意するポイント(対 内部)
マネージャ・リード視点
マネージャ・リード視点で特に重要なのは、次の3つです。
- 質問しやすい雰囲気を作ること
- スタッフのモチベーションを気にかけること
- チーム以外のメンバーとの関係性を作ってあげること
質問しやすい雰囲気作り
一緒の部屋にいれば、気軽に質問できたり、忙しくないタイミングを見て声をかけたりしてくれるものです。
しかし、リモートともなれば、マネージャは常に会議が入っていて、これチャットで聞いていいのかな? と二の足を踏んでしまうものです。
マネージャからすると自分が会議をしている間にタスクを進めてほしいものですが、スタッフからすると不明点が明確にならないとうまくタスクを前に進められないことって結構あります。
二の足を踏む時点で、「今質問していいものか、でも忙しいだろうしな。でもこのまま分からない状態ですすめていいものか・・・」と考えるので、スタッフの工数が大幅に削られます。
ほんともったいない工数です。
そのため、リモートワークでは対面のとき以上に、スタッフが質問しやすい雰囲気・場を作ってあげることが必要です。
【おすすめの方法】
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質問ができる状態を作っても、今までみたいに対面でクイックにできるわけではないので、質問の回答が返ってこない間にできるタスクを振っておく必要があります。
今日は質問の回答が返ってこなかったのでタスクが進みませんでした。以上! とならないように、ある程度、複数タスク振っておくのがベターです。
また、テキストベース(メールやチャット)だと感情が伝わりません。 テキストだと無機質なので、むしろ怒ってもいないのに、怒っていると受け取られることもあります。
そのため、メールやチャットでの言葉遣いは、より丁寧な口調になるように気を付ける必要があります。
始めの慣れないうちは、メール書くのに時間がかかりますが、慣れればそれほどまでストレスはありません。
むしろ、変にとらえられて、いざこざ起きるよりも、丁寧に書くことでそういったことが起きにくくなるので、これもマネージャの務めだと思って、やりましょう。
スタッフのモチベーション
リモートだと顔が見えないので、スタッフのモチベーションが下がっているのかどうか、把握しづらい状態になります。
「大丈夫?」と声をかけても、大概の人は「大丈夫」と返すものです。
モチベーションが低下するのは、
- 忙しすぎる or 暇すぎる
- 悩みを共有できない
- 仕事がそもそも楽しくない
など、さまざまな原因が考えられます。
一番は、冗談を言い合えるくらいの関係を築くことです。
しかし懐に入り込むコミュニケーションが苦手な人も中にはいると思います。
そんな人は、直接ではなく、間接的にスタッフの中のいい子から、最近の状態はどうか聞けるような環境を作っておくことは最低限必要です。
リモートワークになって、スタッフ管理・コミュニケーションがより一層難しくなってきています。
しかし、これもマネジメントの一部です。
マネージャとしてチームを管理するには、スタッフの顔が見えない状況でも、敏感にチェックできる環境つくりは大切です。
チーム以外のメンバーとの関係性作り
チームスタッフの中には、初めてのプロジェクト・中途入社組など、プロジェクト内・社内に知っている人がいない状況の人もいます。
特に20年卒の新入社員は、会社にも行ったことない、上司にもあったことない、でもタスクは振ってくる、という容易にストレスフルな状態だと想像できます。
SAPプロジェクトでは、チーム内(モジュール内)だけでなく、チーム間のコミュニケーションが重要になります。
特にテストフェーズでは、エラーが起こった際に、エラー元の担当者・知見者と連携を取りながらタスクを進めていく必要があります。
コミュニケーションを取る相手がどんな人か ということが分かっているだけで、ストレスなく仕事ができます。
もしコミュニケーション相手が知らない人だと、すごく気を遣っちゃいますよね。
そのため、マネージャはスタッフがこれからコミュニケーションを取るであろう相手との繋ぎをしてあげることが重要です。
やり方は、クイックミーティングでも、リモート飲み会でも、その人の人となりが分かるようなやり方であれば、何でもアリです。
スタッフ視点
スタッフ側が注意するポイントは1つです!
それは、マネージャ・リードに気を遣わず話かけることです!
やり方は、メール・チャット・電話、何でもありです。
マネージャは、あなたのタスクを管理することが仕事です。
あなたが分からないことでタスクが詰まっていたら、臆せず質問しましょう!
コミュニケーション先が分からなければ、誰に聞けばいいか質問しましょう!
もちろんマネージャの中には、忙しくて嫌な顔をする人もいます。
しかし、それは最初だけで、あなたのタスクが進まなければ困るのはマネージャです。
変に気を遣いすぎて、ストレスをためるよりも、開き直って積極的に声をかけるべきです。
リモートワークを快適にするためのツール
リモートワークをしていると、朝起きてから夜寝るまでずっと同じところにいるので、普段感じないストレスを感じます。
仕事でただでさえストレスがたまるので、少しでもリモートワーク環境を快適にすることが重要です。
これからリモートワークが当たり前となると考えると、自宅のリモートワーク環境を整えておくのは先行投資として大いにアリです。
ここからは私が実際に使っているツールを紹介します。
イヤホンマイク
SAPコンサルをしていると1日中打合せということもあります。
最近はワイヤレスイヤホンが流行ってますが、充電やBluetooth接続を気にする必要があります。
そのため、アナログではありますが有線のイヤホンマイクがベターです。
家族が家にいたりすると、雑音が入るのでノイズキャンセリング機能がついているイヤホンマイクがおすすめです。
マルチディスプレイ
打合せ時に投影画面と仕事をする画面を分けるために、マルチディスプレイは必須です!
こちらのマルチディスプレイは折りたたみができ、持ち運び・片付けもしやすいので便利でおすすめです。
USBポート
USBポートがあれば、スマホ充電・ワイヤレスマウス・卓上加湿器/扇風機など、いろんなものがつなげます。
こちらのUSBポートは電圧も高く、高速充電もでき、かつ薄いのでカバンに入れて持ち運びにも便利です。
マウス
今まではカバンに入るサイズのマウスを使う人が多かったです。
こちらのトラックボール付きマウスは、大型サイズですがリモートワークでずっと家にいるからこそ買えるものです。
実はトラックボールは肩こり軽減に効果があるとSNSでも言われているので、リモートワークだからこそおすすめのツールです!
PCスタンド
PCスタンドを使えば、人間工学に基づいた正しい姿勢を維持でき、肩こり軽減に効果があると言われています。
また、傾斜がつくのでタイピングもしやすくなり、作業効率が爆上がりします。
クッション
一番いいのはゲーミングチェアを買うことです。
しかし、家族がいる人はなかなかゲーミングチェアを買うことができない人もいるでしょう。
そんなときにおすすめなのが、このクッションです。
クッションなので持ち運びも便利で、長時間座れる設計になっていて、お尻も痛くなりません。
ダイソン Hot & Cool
私の家には赤ちゃんがいて、打合せ中に泣き声が聞こえてきます。 特に自分がスピーカーのときは会議に集中できません。
そんなとき逃げ込むのがトイレです。w
トイレにはエアコンがないので、夏は暑いし、冬は寒いです。
そんなとき便利なのが、ダイソン Hot & Cool です。
スリムで狭い場所にも入りますし、冷暖房可能なので年中使えます。
少し高いですが、普段使いもできるので、買って損はないです。
サマリ
ここまでSAPコンサルのリモートワークの働き方を紹介してきました。
もちろん対面のときに比べて、会議が進まない・相手の状況が分からないなど、不都合はあります。
しかし、できるかできないかで言うと、できます。
できますが、相手への配慮・マネジメントの工夫が必要です。
これからニューノーマル時代の新しい働き方として根付いていくと私は思っています。
そのため、今kらリモートワークの働き方にいち早く慣れておくのもアリでしょう。
また、これからリモートワークが当たり前となると考えると、自宅のリモートワーク環境を整えておくのは先行投資として大いにアリです。
この記事が皆さんの働き方に少しでも参考になると嬉しいです。