- 入社してSAPコンサルを始めたが、どういうスキルを身につけていけばいいか分からない
- SAPコンサルの給料が高いから転職したいんだけど、どういうスキルを身につければ転職に有利なのか分からない
- どういうスキルを身につければ、今後のキャリアに良いのか分からない
2027年にSAP ERP 6.0 の保守切れで、SAPバージョンアップのためSAP案件が最高潮に活況です。
そのため、SAPコンサルとしてキャリアを進める人もここ数年で多くなってきています。
この記事では、SAPコンサルに必要なスキルセットを体系立てて解説していきます。
必要なスキルセットが分かるだけで、あなたのキャリアアップの手助けになります。
ぜひ最後まで読んでみてください。
✔ この記事を書いた人
SAP業界で10年のキャリア経験があり、日系会社員→外資系会社員→フリーランス とキャリア経験があり、多くの凄腕のSAPコンサルと一緒に仕事をしてきました。
- SAPコンサルに必要なスキルセット
- SAPコンサルとしてステップアップしていく方法
Contents
SAPコンサルの仕事
SAPコンサルの仕事は、SAPシステムの導入・保守運用です。
システム導入・保守運用であれば、他のITコンサル・SE同じじゃないか! と思う方もいらっしゃるかと思いますが、大きく異なる点があります。
SAPはグローバルスタンダードERPと言われていて、どの業界でもフィットする作りになっています。
フィットするとは言っても、グローバル標準で作られているため、企業固有の業務にマッチするとは限りません。
そのため、SAPプロジェクトはシステム導入に加え、SAPに業務を合わせる業務改革プロジェクトも一緒にやります。
SAPコンサルとして最低限必要なスキル
SAPコンサルとして必要なスキルは、大きく4つに分けられます。
SAPスキル |
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ITスキル |
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業務スキル |
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ビジネススキル |
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※赤字がSAPコンサルとして最低限必要なスキルです。
それでは1つ1つ、なぜ必要なのか、具体的にどういうスキルなのか、どういったケースで役に立つスキルなのか、を解説していきます。
SAPスキル(SAPの標準動作の知見)
SAPスキルでは、一番に「SAP標準機能」を知っておく必要があります。
SAPはパッケージシステムです。 つまり、導入後、ちょこっと設定すれば動作するのです。
そのため、SAPってこういう機能があって、こうやって動かすんですよ。 ということをユーザに説明できる必要があります。
要件定義フェーズで、顧客業務とSAP仕様のFit & Gap を洗い出し、SAP仕様に合わせる業務変更するか・SAPアドオン(追加機能開発)とするかを決めていくときに使います。
ユーザにとって、あなたはSAPの先生です。
SAPの先生にSAPってどうやって動かすの? と聞いても、回答にしどろもどろになっていたら話にならないですよね。
- 実践でSAP実機を触りながら、周りの人に聞きながら学習していくのが、一番効率が良いです
- 事前に学習したい場合は、ノマドSAPコンサルBlogを読んでください
- SAPコンサルにおすすめの本も、概要レベルで知るには良いです
ITスキル(コンピュータの知識)
SAPはITシステムです。
ITシステムがどうやって動いているのか、という最低限のコンピュータ知識はつけておく必要があります。
SAPコンサルの中には、業務のことに詳しく、ITをおざなりにしている人も結構います。
しかし、ITスキルの低いSAPコンサルが設計した業務プロセスは、システムでどうやって動かすの? というシステム整合性が取れないようなものも数多くあります。
- 要件定義フェーズで、どうやってSAPで業務を実現していくか検討
- 設計フェーズで、アドオン(追加開発)機能の設計
- テストフェーズで、システムのどこでエラーとなっているか調査
特に要件定義フェーズでは、ユーザと業務要件を詰めていくことになります。
このフェーズで、どうやってシステム的に処理していくかをIT視点でも語れないと、後々不整合が起きます。
またユーザの中にはITリテラシーが高い方もいます。
そのため、最低限のコンピュータ知識はつけておかないと、恥をかくことになります。
- IPA(情報処理推進機構)のITパスポート資格を勉強をするのが、体系立てて知識の習得もでき、資格取得もできるのでおすすめです。
- 資格勉強の時間がない方は、ITコンサルにおすすめの本でクイックに知識習得するのもおすすめです。
業務スキル
SAPプロジェクトは、SAPに業務を合わせるための業務改革プロジェクトでもあります。
そのため、顧客業務について詳しくなければ、業務改革はできません。
顧客業務というのは、あなたのクライアントの業務ではなくて、「世間一般的な顧客業務(あるべきの業務姿)」を知っておく必要があります。
特に日本企業は、カイゼン活動により、企業固有の業務になっています。
そのため、SAP(グローバルスタンダード)と企業固有の業務にGapがあるため、このGap差をどうやって埋めていくかを「あるべきの業務姿」が分かっていないとできません。
- 要件定義フェーズで、顧客業務ヒアリング および SAPとのGapの洗い出し
顧客業務が分かっていなければ、ただただクライアントの要望だけを取り入れたSAPを導入するだけになってしまいます。
クライアント要望は企業固有業務のかたまりなので、せっかくのパッケージシステムなのに、アドオン開発だらけになってしまいます。
SAPを入れて、業務をSAPに合わせる業務改革をするために、顧客業務を知ることは必須中の必須です。
- SAPコンサルにおすすめの本で紹介している業務本が、手っ取り早く知識の吸収ができます
SAPコンサルはモジュール(業務領域)別に、担当が分かれます。
そのため、あなたの担当するモジュールにマッチした業務をまずはスキル習得すべきです。
ビジネススキル(コミュニケーション)
コンサルとしてコミュニケーションスキルは必須です。
コンサルというと、ユーザの前で軽やかにプレゼンをするイメージがあるかもしれません。
もちろんプレゼンスキルも大事です。
しかしそれよりも重要なのが、プロジェクト内のコミュニケーションです。
- ユーザへのプレゼン
- プロジェクト内メンバーとの会話
- などなど
SAPプロジェクトは大型プロジェクトであることが多く、多ければ100人・200人超えプロジェクトもあります。
そのため、自分一人でできることなんて限られていて、いろんな人の力を借りて仕事を進めていく必要があります。
直接会話・メール・チャット・電話を駆使して、コミュニケーションを密にとり、仕事をドライブするために必要なスキルです。
- コミュニケーションは日々の積み重ねが重要です
- 参考になる本は、こちらの「1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術」は、コンサルとして重要なことを構造的に伝えるスキルが学べておすすめです。
ビジネススキル(Word、Excel、Powerpoint)
コンサルは顧客の課題解決でお金をもらっています。
そのため、課題解決のために検討で作成するドキュメントが唯一の成果物です。
- 課題解決のための資料作成(Powerpoint)
- データ分析の資料作成(Excel)
- 議事録(Word)
- などなど
ドキュメントが残念なコンサルは、成果物を満足に上げられないコンサルです。
同じ課題解決になったとしても、ドキュメントはきれいに分かりやすく作るのがプロのコンサルです。
- ドキュメント作成は、プロジェクトで日々作成していく中でスキルアップします。
- Word、Excel、Powerpointの中で特に重要なのが、Powerpointです
- 参考になる本は、こちらの「外資系コンサルのスライド作成術 図解表現23のテクニック」は、Powerpoint作成テクニックが体系的に学べておすすめです。
ビジネススキル(ロジカルシンキング)
ユーザの課題解決のためには、自分の話したいことを話すのではなくて、課題解決のためのロードマップを頭の中に浮かべ、順序立てて話をする必要があります。
ユーザに納得感を持ってもらうには、ロジカルに話を持っていくことが重要です。
また、話すだけでなく、ロジカルシンキングはドキュメント作成にも役に立ちます。
- 会議での課題検討
- ドキュメントの資料順序
- などなど
- 参考になる本は、こちらの「コンサルを超える問題解決と価値創造の全技法」は、課題解決のためにどうソリューション提供するかのスキルを学べておすすめです。
SAPコンサルとしてキャリアアップするのにおすすめのスキル
SAPコンサルとして仕事を始めると、まずはどこかのモジュール(業務領域)の担当になります。
もちろん、一生同じモジュールで仕事をする人もいます。
しかし、プロジェクトではチーム間のグレーゾーンタスク(これってどっちのチームがやるんだっけ?というタスク)をこなせる人が重宝されます。
また、プロジェクトマネージャーにもなる人は、1モジュールだけでなく、全体感を把握している人しかできません。
そのため、
- 会計ーロジ
- アプリーインフラ
- コンサルーエンジニア
といった、隣り合う領域の知識・スキルを伸ばせる人ほど、プロジェクトでは重宝されます。
例えば、会計を知ってる人・ロジを知ってる人を1人ずつプロジェクトに入れるよりも、会計ーロジのどちらも知ってる人を1人入れた方が、効率も上がりますよね。
1つのモジュールを2プロジェクトこなせば、ある程度そのモジュールのスペシャリストとなります。
その後は、関連する領域のスキルを伸ばしていくことで、キャリアアップしやすくなりますし、全体感を把握できてくるので仕事も面白くなります!
求人情報を見て、求められるスキルを確認しよう
転職サイトには、SAP人材を求める会社からの求人情報が載っています。
実際に各会社がどのような人材がほしいのか、リアルを知ることができます。
大企業・中小、日系・外資によっても、求められるスキルは異なります。
あなたの働いている会社・同規模の会社、もしくはこれから転職を目指したい憧れの企業の求人情報をチェックすることで、これからあなたが身につけるべきリアルなスキルが明確になります。
また求人情報は、少なくとも年単位で更新されるので、「今」のニーズに合ったスキルを最新求人情報からチェックすることが重要です。
転職サイトで一番ベストなのが、業界最大手のリクナビNEXTです。
1つの会社に属していると、SAP業界全体でどのようなスキルがベストなのか、ということが見えなくなります。
SAPコンサルとしてスキルアップするために、社外に目を向けておくことは転職をしなくても重要なことです。
SAP市場は活況なため、求人の入れ替わりが激しいです。
たった5分で簡単に登録できます。タイムリーな情報を見逃さないように、今すぐ登録しておきましょう!
まとめ:必要なスキルセットを理解し、キャリアアップしていこう!
SAP人材は、今最高潮に求められている人材です。
SAPコンサルとして、キャリアアップしていくには、まずは求められるスキルセットを知る必要があります。
求められるスキルセットを知ることで、あなたに足りないスキルが分かります。
足りないスキルを強化していくことで、キャリアアップに繋がり、昇進・昇給につながります。
SAP市場が活況な今、キャリアアップをしていくチャンスなので、このチャンスを逃さないように、スキルアップしていきましょう!