販売プロセスの出荷時に必要な「出荷ポイント」と「輸送経路」について解説します。
「出荷ポイント」と「輸送経路」は、複数用意ができます。
そのため、どのような基準でSAPが「出荷ポイント」と「輸送経路」を受注にデフォルトでセットするのかをこの記事では解説します。
SDのコンフィグで手が折れる部分ですので、ぜひどのような場面で使われて、どう設定するかを理解いただければと思います。
出荷ポイント・輸送経路とは
そもそも出荷ポイント・輸送経路って何?
ということをまずは説明します。(すでに知ってるよ!って方は読み飛ばしてください)
出荷ポイント
出荷ポイントとは、出荷する場所を表す組織です。
出荷ポイントは1つ以上のプラントの下に紐づけます。
※1つの出荷ポイントを複数のプラントに紐づけは、プラント同士の距離が近いなどの場合に設定します。 が、ケースとしては少ないです。)
出荷ポイントでは、
- 稼働日カレンダーの割当
- 出荷日程計画のための「積載時間」「ピッキング/梱包時間」「配送手段手配日数」の時間設定
- ピッキングリストの出力タイプ
などの設定をしておきます。
輸送経路
輸送経路は、自社から得意先へ配送する配送経路を設定します。
得意先ごとに設定するのではなく、あくまでざっくりベースの単位で設定することが多いです。
(例えば、自社が大阪であれば、東北・関東・中部・中四国・九州 といった粒度(あくまで一例です))
輸送経路は
- 出荷日程計画のための「配送時間」「配送手段手配日数」の時間設定
- 運送業者
- 輸送手段
などの設定をしておきます。
出荷ポイント決定方法
それでは本題の出荷ポイント・輸送経路の決定方法について解説していきます。
まずは「出荷ポイント」の決定方法について。
出荷ポイントは、以下の3つの値で決定されます。
項目 | 指定場所 |
出荷条件 |
|
積載グループ | 品目マスタ |
出荷プラント |
|
上の「出荷条件」「積載グループ」「出荷プラント」の3項目をキーに、「自動提案される出荷ポイント」・「マニュアル設定可能な出荷ポイント」を設定してきます。
※出荷条件は、①販売伝票タイプ → ②BPマスタ(受注先)の優先順位で決まります。
※プラントは、①得意先/品目情報レコード → ②BPマスタ(出荷先) → ③品目マスタ の優先順位で決まります。(例:①得意先/品目情報レコードで出荷プラントが設定されていなければ、②BPマスタに設定されている出荷プラントを採用)
輸送経路決定方法
つづいて「輸送経路」の決定方法について。
輸送経路は、以下の4つの値で決定されます。
項目 | 指定場所 |
出荷区域 | 出荷ポイント |
出荷条件 |
|
輸送グループ | 品目マスタ |
納入区域 | BPマスタ(出荷先) |
こちらが輸送経路決定の設定画面です。
上の「出荷区域」「出荷条件」「輸送グループ」「納入区域」の4項目をキーに、「自動提案される輸送経路」・「マニュアル設定可能な輸送経路」を設定してきます。
※出荷条件は、①販売伝票タイプ → ②BPマスタ(受注先)の優先順位で決まります。(例:①販売伝票タイプで出荷条件が設定されていなければ、②BPマスタに設定されている出荷条件を採用)
サマリ
「出荷ポイント」「輸送経路」とはどういうものか、どういう設定により自動決定されるのかを解説してきました。
SDカスタマイズでパターンごとに設定が必要なので、かなり大変ですが、内容も理解したうえで設定すると楽しいので、ぜひとも理解を深めていただけたらと思います。
また「出荷ポイント」「輸送経路」は、出荷の日程計画に使用されます。
出荷の日程計画について、こちらの記事で解説しているので、「出荷ポイント」「輸送経路」が具体的にどう使われるかがわかります。
ぜひ参考に読んでいただければと思います。