SAPの棚卸伝票を使用する場合、棚卸伝票の「帳簿凍結機能」というものがあります。
帳簿凍結機能を使うことにより、どの時点のSAP在庫と棚卸在庫を比較したいかコントロールができます。
この記事では、棚卸伝票の帳簿凍結機能を使用したパターン、使用しないパターンに分けて解説していきます。
帳簿凍結機能を使用する・しないの運用判別の判断材料にしていただければと思います。
また、前提知識として棚卸プロセスについてこちらの記事で解説しています。
棚卸業務プロセスについて初めての方は、まずこちらの記事を読んでみてください。
帳簿凍結機能とは??
棚卸伝票で使用する帳簿凍結機能とは、「棚卸伝票登録時点のSAP在庫を棚卸在庫との比較対象にする機能」です。
SAPの棚卸は、次の3ステップで業務が進みます。
- 棚卸伝票登録
- 棚卸検数入力
- 棚卸決済
仮に①棚卸伝票登録から②棚卸検数入力の間に、入出庫伝票が登録された場合、いつ時点のSAP在庫と棚卸検数(棚卸数量)と比較するのか、困ってしまいます。
そこでSAPは、①の棚卸伝票登録時点のSAP在庫と比較できる機能を、帳簿凍結機能として用意してくれているのです。
帳簿凍結機能あり/なし比較
それでは「帳簿凍結機能あり/なし」の機能比較を見ていきましょう。
①棚卸伝票登録 と ②棚卸検数入力 の間に入出庫伝票が登録された場合、棚卸帳簿数量がどのように影響するかを見ていきましょう。
【帳簿凍結機能あり】
帳簿凍結機能あり の場合、①棚卸伝票登録の後に入出庫伝票を登録すると、在庫数量には反映されますが、棚卸帳簿数量に反映されないことがポイントです。
帳簿凍結機能ありにすると、①棚卸伝票登録時点の在庫数量と棚卸数量を差異比較することが可能になります。
【帳簿凍結機能なし】
続いて帳簿凍結機能なし の場合、棚卸伝票登録の後に入出庫伝票を登録すると、在庫数量・棚卸帳簿数量に反映されることがポイントです。
帳簿凍結機能なしにすると、②棚卸検数入力時点の在庫数量と棚卸数量を差異比較することになります。
帳簿凍結機能あり/なしの方針検討ポイント
帳簿凍結機能を使用するかしないかは、
- どの時点の在庫数量と棚卸差異比較をしたいか
- 棚卸中の入出庫を棚卸数量として含めるか
ということが方針検討のポイントとなります。
- 棚卸伝票登録時点の在庫数量と棚卸差異比較する、棚卸中の入出庫は棚卸数量に含めない ということであれば、帳簿凍結機能あり
- 棚卸検数入力時点の在庫数量と棚卸差異比較する、棚卸中の入出庫は棚卸数量に含める ということであれば、帳簿凍結機能なし
下の図で言うと、
- 棚卸伝票登録時の100個と棚卸差異比較をしたい場合は、機能ON
- 棚卸検数入力時の120個と棚卸差異比較をしたい場合は、機能OFF
棚卸伝票登録の単位は、プラント・保管場所単位です。
棚卸伝票の登録単位で、棚卸中の入出庫も含めるか、含めないかを現状の運用を考慮して、帳簿凍結機能をON・OFFの判断をする必要があります。
(参考)棚卸関係の記事
棚卸業務プロセス、棚卸検数入力変更に関する記事をこちらにまとめています。
帳簿凍結機能と合わせて読むと、SAPの棚卸業務について9割がた理解できるので、ぜひ合わせて読んでみてください。








