【SAPコンサル】2027年以降のキャリアについて考えてみる

【SAPコンサル】2027年以降のキャリアについて考えてみる

SAP ERP 6.0のサポートが2027年に切れるため、現在S/4HANAへの移行がどの企業でも急ぎ対応が迫られています。

そのためSAPコンサルは、転職市場・フリーランス市場で引く手あまたの状態です。

しかし、2027年以降、S/4HANA移行案件が少なくなってくるため、SAP人材のニーズも減ってくるでしょう。

この記事では、2027年以降に向けたSAPコンサルのキャリアパスについて考えてみます。

この記事で伝えたいこと
  • 2027年以降、どのようなキャリアパスが考えられるか
  • 2027年以降に、今からどのような準備をしておくべきか

 

~2027年のSAPコンサルの仕事

日本国内には、約2,000社のSAP導入企業があります。

しかし、SAP企業・SAPコンサルの数も限られていますし、SAPライセンス費用も高いので、すべてのSAP導入企業がS/4HANAへの対応をするわけではありません。

そのため、各社の対応は以下の3つになることが想定されます。

  1. S/4HANAへの移行
  2. SAP ERP 6.0のバージョンのまま(2030年までの延長サポートを受ける)
  3. 他のERPへ乗り換え

 

継続的に人材が一定数必要なのが、既存SAP保守

そして、今一番人材が必要なのが、①S/4HANAへの移行。 このS/4HANA移行のために、今までSAPをしたことなかったコンサル・エンジニアが、どんどんSAP市場に流入してきている状態です。

 

2027年~のSAPコンサルの仕事

2027年以降、S/4HANAへの移行案件が減ってくるため、SAP案件自体が減少してくるでしょう。

そのため、今SAPの仕事をもらえている人たちも、もしかしたらSAP以外の仕事をしていく必要が出てくるかもしれません。

ではいったい、2027年以降はどんな仕事があるの? ということを考えていきたいと思います。

SAPコンサルのスキル・経験を活かして、2027年以降もキャリアチェンジできそうな仕事の一覧がこちらです。

  1. S/4HANA保守
  2. S/4HANAへの移行
  3. 他のERPパッケージコンサル
  4. 業務コンサル
  5. ITコンサル

 

① S/4HANA保守

2027年までに移行を終えたSAP導入企業のS/4HANA保守です。

S/4移行後も、導入部隊がある程度は保守対応として残りますし、安定稼働後も移行時に対応できなかった追加開発、機能拡張も考えられます。

保守案件は決してなくならないので、一定数は保守案件でSAPの仕事が継続できるでしょう。

 

② S/4HANAへの移行

2027年までにS/4移行ができなかった企業は、2030年までに追加費用を払えば延長保守サポートを受けることができます。

このような企業は、2030年までにS/4HANAへの移行をするでしょう。

そのため、2030年まではS/4移行プロジェクトはある程度出てくることが想定されます。

 

③ 他のERPパッケージコンサル

SAPのノウハウを活かして、他のERPパッケージコンサルへのキャリアチェンジもありでしょう。

ERPの基本的な考え方は、どのパッケージも大きくは変わらないので、これまでのノウハウ・スキル・経験をフルに活かすことができるでしょう。

大手SI企業は、SAPのみならず他のERPパッケージも担いでいるので、そちらへの異動も可能だと思います。

 

ただし注意が必要なのが、SAPコンサルはIT業界の中で給与レベルが群を抜いて高い職種です。

そのため、他ERPパッケージコンサルに移ることにより、給与レベルが下がる、今後のキャリアを考えても給与が上がりにくい。 なんてことが考えられますので、キャリアチェンジする際には、事前にチェックしておくの方がいいでしょう。

 

④ 業務コンサル

SAP導入プロジェクトは、グローバルスタンダードERPであるSAPに業務を合わせることも要件定義でしていきます。

そのため、SAPコンサルは 半分業務コンサルでもあります。

SAPという枠組みを取り払って、直で業務部門側に入って、業務改善・最適化を進めていく仕事へのキャリアチェンジも可能でしょう。

これからの業務改善には”IT” とは切っても切り離せないでしょう。

そのため、これまでSAPで培ってきたITスキルというのは、大いに活かされますし、ピュアに業務コンサルから始めた人よりも、より求められるスキルをすでに身につけている状態と言えます。

 

⑤ ITコンサル

2027年以降、企業はERPにかけるコストを下げると言われています。

これからのIT投資はAI・BI・IoT・RPAなど、ERP周辺システムにコストをかけ、企業システムのレベルアップをしていく方向に進んでいきます。

そのためITコンサルの需要は大幅に高まってくると予想されます。

ITシステム導入とはいえ、企業システムの真ん中にはERPがあります。

ERPとどう連携し、企業システムのレベルアップしていくかを必ず考えなければいけないので、SAPコンサルのスキルを大いに活かせる仕事です。

 

S/4HANAのサポート期限

S/4HANAのサポート期限は、2040年とSAP社から公表されています。(参考:support.sap.com

S/4の次のバージョンへの切り替え開始時期を5年前と考えると、2035年くらいから切り替え対応を開始する企業も出てくるでしょう。

つまり、延長保守切れの2030年にS/4に移行し、5年後にはまた移行プロジェクトが始まります。

ここまで2030年以降のキャリアについて考えてきましたが、5年後にはまたSAPコンサルの需要が高まります。

そのため、キャリアチェンジするのであれば、またSAPコンサルに戻ってくるか、そのままキャリアチェンジ先の仕事を続けるかも考えておいた方がいいでしょう。

また、キャリアチェンジするかどうかは、20代・30代・40代で考えも変わるでしょう。

システム観点で5年は短いですが、一人のキャリアとして5年は長いです。

この5年間をどう捉えるかで、今後のキャリアを考えていくのがベストでしょう!

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TK
製造業界、素材産業にて、SAP ERPの導入・保守を経験。会社の情報システム部門→外資系コンサル会社→育休→独立(フリーランス)。 SAP導入プロジェクトの仕事をする傍ら、SAPに関する情報をブログで発信。