原価要素とは、原価を構成する要素のことです。
この記事では、原価要素の設定方法について解説していきます。
原価要素とは
原価要素とは、原価を構成する要素のことで、直接費・間接費 x 経費・労務費・材料費 を管理メッシュに分けられたものです。
そのため、原価要素 = 勘定科目 ともなります。
原価要素には、「一次原価要素」と「二次原価要素」の2種類あります。
- 一次原価要素は、FI・COで使用します。
- 二次原価要素は、COのみで使用します。
また原価要素をグルーピングする「原価要素グループ」というマスタがあります。
原価要素を費用を管理する最小粒度に設定し、それらをグルーピングし、グループごとに費用分析するために原価要素グループを設定します。
例えば、原価要素グループに「労務費」と設定したとき、原価要素には労務費をより細かく管理したいような「給与」「賞与」「外注」などを設定します。
設定の紐づけイメージは、このようになります。
原価要素の前提マスタ
原価要素を設定する前に「会社コード」を設定しておく必要があります。
【会社コード】
管理領域は、T-code:SPROから設定していきます。
会社コードは、FI領域と確認し設定していきます。
原価要素登録(T-code:FS00)
それでは原価要素登録について、項目レベルで解説していきます。
ECC 6.0 までは、一次原価要素はT-code:KA01、二次原価要素はT-code:KA06 で登録していましたが、S/4HANAからはT-code:FS00(勘定コード 共通)に統合されました。
設定画面内で、一次原価要素なのか二次原価要素なのかを指定していきます。
設定画面
設定画面では、上部にある以下のキー項目を指定して、登録に入ってきます。
項目名 | 意味 |
G/L勘定 | G/L勘定コード |
会社コード | 会社コード |
G/L勘定・会社コードを入力し、画面右側にある白紙ボタン(登録ボタン)をクリックし、設定していきます。
タイプ/テキストタブ
- G/L勘定タイプ:ここで「一次原価または収益」もしくは「二次原価」を指定
- 勘定グループ:コンフィグで事前設定した勘定グループを指定
- テキスト(短):原価要素名を入力
- G/L勘定テキスト(長):原価要素名を入力
管理データタブ
- 原価要素タイプ:原価の種類を指定
原価要素タイプ一覧
一次/二次 | 原価要素タイプコード | 名称 |
一次原価要素 | 01 |
一次原価/原価削減収益
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一次原価要素 | 03 |
間接費別見越/繰延
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一次原価要素 | 04 |
借方別見越/繰延 = 実績
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一次原価要素 | 11 | 収益 |
一次原価要素 | 12 | 売上控除 |
一次原価要素 | 22 | 外部決済 |
一次原価要素 | 90 |
貸借対照表勘定の統計原価要素
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二次原価要素 | 21 | 内部決済 |
二次原価要素 | 31 |
指図/プロジェクト結果分析
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二次原価要素 | 41 | 間接費率 |
二次原価要素 | 42 | 配賦 |
二次原価要素 | 43 | 内部活動配分 |
二次原価要素 | 50 |
プロジェクト関連受注: 売上
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二次原価要素 | 51 |
プロジェクト関連受注: その他収益
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二次原価要素 | 52 |
プロジェクト関連受注: 原価
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二次原価要素 | 61 | 稼得価値 |
二次原価要素 | 66 |
レポート原価要素 CO-PA
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原価要素グループ登録(T-code:KAH1)
原価要素をグルーピングする、原価要素グループの登録は、T-code:KAH1 から登録します。
(変更はT-code:KAH2、照会はT-code:KAH3)
トップ画面
ここで原価要素グループコードを指定します。
設定画面
原価要素グループの配下に、階層を作るように原価要素を紐づけていきます。(原価要素グループを多段階で階層化もできます。)
【設定イメージ】
(参考)COマスタ解説記事
CO(原価モジュール)で使用されるマスタをこちらの記事で解説しています。
各マスタの意味や原価計算での使い方について解説しています。
原価要素も、他のCOマスタの設定があって効いてくるので、こちらも参考に読んでみてください。
COのみ)」の2種類ある