「生産管理」とは需要予測・受注から生産計画を立て製造現場に指示を出したり、資材・原材料の調達計画を出したり、在庫のコントロールをしたりする、いわゆる製造のブレーン的な存在です。
「生産管理」と一口に言っても、生産計画・調達計画・製造指示・在庫管理・物流管理・外注管理など、役割が多いのです。
また、生産管理をするために、生産管理システムの理解も必須です。
この記事では、生産コンサルである私が選定した生産管理のためのおすすめ本5選を紹介します。
Contents
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
生産管理を語る上で、この「ザ・ゴール」を読むことはMUSTです。
「ザ・ゴール」は、アメリカのゴールドラット氏が書いた小説形式の本です。
物語は、アメリカの機械メーカーの工場を舞台に生産トラブル・ボトルネック改善・生産分析・収益改善をしていく様がリアルに描かれています。
「ザ・ゴール」は、2001年に日本翻訳版が出版されていますが、ものづくり大国日本に「ザ・ゴール」を出版すれば貿易摩擦が再燃し、世界恐慌に陥るとゴールドラット氏が言って、実は17年間ものあいだ日本出版が拒否されていた本です。
小説形式で書かれているため、分厚い本ではありますが、一気に読めてしまう本です。(500ページ以上ある分厚めの本なので、電子書籍がベターです)
工場全体・生産と調達・営業・原価とのつながりが全体を通して分かりやすく書かれているので、一番おすすめしたい本です。
本が苦手な方向けに、マンガ版も出ています。
マンガの方がサクッと読めるので、本が苦手な方はこちらがおすすめです。
[ポイント図解]生産管理の基本が面白いほどわかる本
生産管理初心者向けの本です。
図解が多く、一日でサクッと読めて かつ 生産管理のことが全体を通して体系的に分かる本です。
私は普段生産コンサルをしているのですが、生産が初めての新メンバーにはこの本を読むことをいつも勧めています。
また、Amazonレビューには「中小企業診断士」の資格取得のためにとても役に立った! というコメントもあり、生産管理のことを知るのに非常に有用な本です。
この1冊ですべてわかる 生産管理の基本
こちらの本は、初心者から生産管理にもう少し踏み込んだ方向けの本です。(「生産管理の基本が面白いほどわかる本」を読んだ次に読みたい本です。)
生産管理の基本業務に加え、品質管理・原価管理・納期管理・開発管理など、製造プラスα の部分についても詳しく触れられています。
生産管理は、製造のことのみを考えたらいい仕事ではなく、品質保証部・経理部・調達部・営業部・開発部と製造部とのつなぎの役割も果たします。
生産管理を理解するうえで、製造の周辺業務についても理解が深まる一冊です。
また「この1冊ですべてわかるシリーズ」として、以下4冊があります。
本のタイトル | おすすめする対象者 |
SCMの基本 | 調達→製造→販売までモノの流れを一貫して学びたい方向け |
在庫マネジメントの基本 | 在庫管理の基本、在庫最適化について学びたい方向け |
需要予測の基本 | 需要予測をもとにした生産計画を学びたい方向け |
物流とロジスティクスの基本 | 工場内在庫移動・仕入先/得意先とのつなぎの物流について学びたい方向け |
第4次産業革命 日本の製造業を救え!
最近タイムリーな、DX・Industory 4.0 に関する本です。
これまで日本は ものづくり大国として現場のカイゼン活動にて、生産効率を上げてきました。
しかし今後は現場のカイゼンのみならず、ITと連携し、実績データからより精度の高い分析を経て、生産効率を上げていくことが、グローバル競争力を上げていくためには必須となってきています。
「第4次産業革命 日本の製造業を救え!」は、小説形式で書かれており、ITが苦手な方でもサクッと読める本です。
まずはDX・Industory 4.0 って何? IT苦手だな。。 という方に読んでいただきたい本です。
図解 工場のしくみが面白いほどわかる本
工場でどのようにモノが作られているか、図解を通して学べる本です。
コロナの影響で、工場見学ができなくなった生産コンサル・ITコンサル初心者向けの本です。
コンサルをする上で、実際の生産工程を知っておくことは、クライアントとの会話レベルを合わせるうえで必須です。
工場見学は普段生活していてできるものではありません。
実際にどのような過程を経てモノが作られていくのか、工場がどのような仕組みで動いているのかを知るのに最適な本です。
サマリ
生産管理を知るための本を5冊紹介させていただきました。
生産管理の基本・これからの生産管理について、「分かりやすく」書かれている本を選定しています。
本は短時間で知識を吸収できる最適なツールです。
ぜひ気になった本を手に取っていただければと思います。