保管場所とは、在庫を管理する場所の設定です。
実際のSAPプロジェクトでも、在庫を見たい粒度で保管場所の設定をします。
この記事では、保管場所の役割・影響範囲について解説し、どのような粒度で設定すべきかの参考になる情報を述べていきます。
ぜひ保管場所について理解した上で、要件定義に入ってみてください。
Contents
保管場所の役割
そもそも保管場所とはどういった役割を持っているのでしょうか?
保管場所は、在庫数量の管理に使用します。
例えば、保管場所を「第3建屋-西通路」と設定すると、第3建屋の西通路に、どの品目が・数量いくらあるかの確認ができます。
また、保管場所はプラントの直下に紐づけて設定をします。
プラント:保管場所=1:N の設定ができるので、プラントよりも細かい粒度で在庫管理をすることができます。
プラントについては、こちらの記事で解説しているので、気になる方は読んでみてください。
保管場所設定の考え方
ここまで説明したとおり、保管場所の設定は、プラントよりも細かく在庫管理をしたい粒度で設定します。
細かく設定することで、どこに・何が・いくらあるのかを精緻に在庫管理をすることができます。
しかし、細かく設定しすぎることでデメリットが1つ発生します。
それは、モノを移動させるたびに入出庫処理をする必要があることです。
例えば、保管場所を
- ラック-1段目
- ラック-2段目
- ラック-3段目
と設定したとします。
仮にラックのスペースの関係上、モノを1段目から2段目に移動させたとします。
保管場所を1段目・2段目と分けて登録しているため、保管場所間在庫転送をし、在庫場所を書き換えてあげる必要が出てきます。
このように、保管場所を細かく設定しすぎると、モノをちょっと移動させるだけで、都度SAPに在庫転送処理を入力する必要が出てきます。
もし上の例で、ラック内にモノがいくらあるかだけ把握できれば良い場合は、保管場所:ラック と1つにしてしまうのも、1つの案です。
保管場所を分けると、保管場所単位に在庫数量の管理ができるようになりますが、細かく設定しすぎると、都度在庫転送処理が必要になることは覚えておきましょう。
ちなみにSAPの在庫転送については、こちらの記事でまとめているので、気になる方は読んでみてください。
まとめ
ここまでで保管場所の役割・設定粒度の考え方について解説してきました。
保管場所は、プラントよりも細かい単位で在庫管理をするための組織設定です。
細かく設定することで、在庫管理を精緻にすることができますが、都度在庫転送処理をする必要があることを念頭において、設定粒度の検討をしてみてください。








