SAPってなに??【大企業向けの根幹を担うシステムを解説!】

あなたの会社ではSAPを使っていますか?

SAPってよく聞くけど、どんなシステムなんでしょうか???

 

SAPとは、基幹システムのことです。

基幹システムとは、その名のとおり、会社の根幹を担っているシステムです。

なので『会社の中心的なシステム』 と覚えてください。

 

SAPの守備範囲は広く、

会計・人事・生産・調達・物流・在庫などなど、会社のほぼすべての業務をSAPでまかなえるんです。

すごいですよね!!

でもデメリットもあるので、それは後ほど説明しますね。

これだけ守備範囲が広いので、SAP全部を知っているヒトって、ほとんどいないんです。

SAPを知っている!っていうヒトも、SAPの会計! SAPの人事!といった具合に、SAPのいち業務機能を知っているヒトがほとんどです。

なので、この記事では、部門・専門領域ごとに、SAPの特徴をせつめいしていきますので、あなたの部門や専門領域にあった、目次部分を読んでいただけたらと思います。

経理・会計

会計は、「財務会計」と「管理会計」に分かれます。

「財務会計」は、社外向けに財務諸表を出すことを目的にしています。

「管理会計」は、社内向けに収益や費用の分析をすることを目的にしています。

SAPは、製造・受注・出荷・購買など、お金に関わる処理ができる機能を統合しているということが強みです。

たとえば、モノを売れば、売上が上がりますよね。

モノが売る処理をシステムですれば、会計機能に連動されて、自動仕訳がされます。

SAPでは、○○の処理をすれば、△△の勘定に仕訳ける、といったことを設定していき、モノの動きとお金の動きを連動させられることが、1つの特徴です。

また、月次決算書などのレポートも、溜まったデータから自動で作成することができるので、毎月の大変なレポート作成も、楽になります。

人事

SAPの人事機能では、ベースとなる「給与」、「勤怠管理」、「組織管理」から、

人材育成に関連する「タレントマネジメント」、

企業戦略に関連する「人材制度」まで、幅広く管理ができます。

人材をSAPで一元管理することにより、計画的な人材育成ができたり、評価・改善と1つのシステムでPDCAを回していき、制度変更までシームレスに行うことができます。

また、人事としてうれしいことは、データがいろんなシステムに拡散することなく、1つのシステムデータがたまっているので、レポートをすぐに出せたり、分析が簡単になったりします。

SAPの他の機能との連動という面では、「タレントマネジメント」の機能を使って、資格を持った人でなければ、この製造をおこなうことはできない。という制御も、生産機能と連動させることもできたり、「給与」と会計を連動できたりします。

生産・製造

SAPの生産機能は主に、「生産計画」と「製造実績」の2つに分かれます。

「生産計画」では、需要予測を登録し、それをもとに所要量計算(MRP)を回すことができます。

所要量計算の結果、製造指図(製品・中間品の製造)や購買発注(原材料調達)につなげられます。

「製造実績」では、製造指図をもとに、生産数量・構成品使用量・作業時間をシステムに入力します。

予め、作業の標準値を設定しておけば、標準と実績の比較が、原価ベースで分析することができます。

営業

営業は、受注をSAPに登録することができます。

受注をもとに、出荷→請求というように、伝票を引き継いでいけます。

なので、どの受注をもとに出荷をして、どの受注・出荷に対して請求をしたのかということを追うことができます。

ただしSAPには、営業機能はなく、マーケティングや需要予測といったことはできません。

そのため、Salesforceなどの別の営業システムに、SAPから受注実績をデータ連携させて、営業システム側でマーケティングなどの分析をします。

なぜ、SAPでは営業機能を持っていないかというと、営業のやり方は各会社異なり、固有のシステム要件が強い業務領域になります。

そのため、広い守備範囲を担うSAPが、手のかゆいところに届かない領域の1つに、営業業務が挙げられるのです。

調達

原材料や外注の調達ができます。

調達をするまでに、依頼→承認→発注というステップをとおすことも可能です。

また、同じ原材料でも、仕入先や購入数量によって金額が異なることもありますよね。

そんな場合も品目・仕入先ごとにマスタを設定することにより、異なる金額の設定が可能です。

物流・在庫管理

調達による仕入先からのモノの入庫、生産による会社内部でのモノの移動(入出庫)、出荷による得意先への出庫を、都度実績入力することにより、在庫の保管場所を管理できます。

仕入先への原材料の返品処理や、得意先からの製品の返品など、様々なモノの移動に紐づく伝票タイプがSAP標準で用意されています。

またモノの移動によって、発生する仕訳を予め設定しておくことによって、在庫移動の実績を入力するタイミングで自動仕訳を起こすことができます。

例えば、発注入庫であれば、

買掛金 / 原材料

と自動仕訳がおきます。

SAPのデメリット

SAPは幅広い守備範囲を担っているシステムなので、一見、万能なシステムに見えます。

SAPさえ入れれば、他のシステムはいらないのでは?? とも思いますよね。

SAPは、さまざまな業界の一般的な業務に合わせたパッケージシステムです。いわゆるベストプラクティスと呼ばれるものです。

そのため、SAPをあなたの会社の業務に合わせるためにSAPに設定(カスタマイズ・コンフィグ)を入れていく必要があるのです。

しかし、あなたの会社の業務が特殊であったり、例外処理が多ければ、SAPの設定ではカバーできないこともあります。

その場合、SAP以外の足回りの軽いシステムを入れたほうがいい可能性もあります。

そのため、SAPを中心に据え、手が届かない業務は、開発のしやすいシステムを入れて、SAPと連携させることがよくあります。

さいごに

SAPは、守備範囲のひろ〜いシステムだということがわかったかと思います。

あなたが使う業務は、SAPの一部かもしれませんが、他の機能とリアルタイムで密に連携していて、データを一元管理できることがメリットです。

しかし、さまざまな業界の一般的な業務に合わせて作られたパッケージシステムなので、あなたの会社の業務に合わない場合は、足回りの軽い開発のしやすいシステムを入れる必要があります。

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ABOUT US
TK
製造業界、素材産業にて、SAP ERPの導入・保守を経験。会社の情報システム部門→外資系コンサル会社→育休→独立(フリーランス)。 SAP導入プロジェクトの仕事をする傍ら、SAPに関する情報をブログで発信。