得意先品目情報レコードとは、得意先 x 品目で 得意先固有の品目情報を持たせたマスタです。
この記事では、得意先品目情報レコードの設定方法について解説していきます。
Contents
得意先品目情報レコードとは
得意先品目情報レコードとは、得意先 x 品目単位で設定するマスタです。
例えば、自社では品目「A0001(レトルトチキンカレーEX)」と呼んでいるが、得意先では「CURRY1234(A社:レトルトカレー)」と呼んでいる場合、受注や請求で得意先とやり取りする際に、お互いの呼び名を認識していないとコミュニケーションミスが出てしまう可能性があります。
そこでこの得意先品目情報レコードを使って、得意先固有の品目情報をマスタとして持たせておくことで、受注・請求の際に、得意先と共通の呼び名でやり取りをすることができます。

得意先固有の品目情報をマスタに設定しておくと、受注・出荷・請求の伝票データを登録する際に、毎回得意先固有情報を手入力する手間が省けるので、超絶便利なマスタです。
また、品目マスタには共通の設定をしておくが、得意先固有の情報をセットできる、かゆいところに手が届くようなマスタです。
得意先品目情報レコードで設定する項目で、品目マスタにも同じ設定項目を持つものがあります。
この場合、品目マスタの設定値よりも、得意先品目情報レコードの設定値の方が優先されます。
得意先品目レコード設定の前提マスタ
得意先品目情報レコードを設定する前提として、品目マスタ・BPマスタ(得意先)の設定が必要です。

得意先品目情報レコードは、品目と得意先の紐づけ情報なので、登場する品目・得意先を予めマスタ設定しておきます。
得意先品目情報レコード登録(T-code:VD51)
それでは得意先品目情報レコード登録について、項目レベルで解説していきます。(画面ごとに区切って解説を入れていきます。)
トップ画面
トップ画面では、キー項目である以下項目を指定して、登録画面に入ってきます。
項目名 | 意味 |
得意先 | BPマスタコード |
販売組織 | 販売組織コード |
流通チャネル | 流通チャネルコード |
ヘッダ画面
ここでは、品目コードをキーに得意先品目情報を入力していきますが、画面が横スクロールでとてつもなく長いので、品目をクリックした後に虫眼鏡マークを押して詳細設定画面に入ります。
詳細画面
ここで以下の項目に対して、得意先 x 品目の情報をセットしていきます。
- 得意先品目コード:得意先側の品目コードを設定
- 得意先品目テキスト:得意先側の品目テキストを設定
- 検索語句:SD伝票データを検索する際のテキストを設定(空き項目なので使い方はプロジェクト次第)
- 出荷プラント:この得意先専用の出荷プラントを設定
- 出荷優先順位:バックオーダー処理のときの在庫引当優先度を設定
- 最小納入数量:最低限出荷しないといけない数量
- 分割納入区分:受注に対し、分割納入してもよいか・だめか
- 分割最大回数:分割納入OKの場合、最大何回まで分割してもよいか
- 過少納入許容範囲:受注に対し、何%までなら納入を下回ってもよいか
- 過剰納入許容範囲:受注に対し、何%までなら納入を上回ってもよいか
- 過剰納入無制限フラグ:受注に対し、いくらでも納入数量が上回ってもよいか
- 明細用途:明細カテゴリを設定(得意先品目情報レコードごとに受注の処理を分けたいときに使用)
得意先品目情報レコード変更(T-code:VD52)
キー項目である、得意先・販売組織・流通チャネル を指定し、得意先品目情報レコード情報の照会をします。
検索実行すると、登録されている品目マスタの一覧が出るので、対象の品目を選択し、変更処理をしていきます。
得意先品目情報レコード照会(T-code:VD53)
キー項目である、得意先・販売組織・流通チャネル を指定し、得意先品目情報レコード情報の照会をします。
検索実行すると、登録されている品目マスタの一覧が出ます。
得意先品目情報レコード一覧(T-code:VD59)
販売組織・流通チャネル・得意先・品目などを検索項目として、得意先品目情報レコードの一覧が照会できます。
(参考)SDマスタ解説記事
SD(販売モジュール)で使用されるマスタをこちらの記事で解説しています。
各マスタの意味や、マスタ同士の紐づきについて解説しています。
得意先品目情報レコードも、他のSDマスタの設定があって効いてくるので、こちらも参考に読んでみてください。
今日学んだこと!
- 得意先 x 品目単位で設定
- 品目マスタの設定値よりも、得意先品目情報レコードの設定値の方が優先
- 得意先・販売組織・流通チャネルをキーに、設定する品目を入力し、設定する