【SAP】期限監視モニタについて徹底解説!

【SAP】期限監視モニタについて徹底解説!

SAP QMモジュールには、「期限監視モニタ」という機能があります。

期限監視モニタを使うことで、有効期限日切れ・次回検査日切れのロットの在庫タイプを自動で振り替えることができます。

この記事では、期限監視モニタとは何か、どのような機能でどのようなケースで使用するのかということを解説していきます。

期限監視モニタとは

期限監視モニタとはQMモジュールの機能で、ロット在庫の「有効期限日」「次回検査日」をチェックする機能です。

  • 次回検査日切れのロット在庫の在庫タイプを、利用可能在庫→品質検査中在庫へ振替
  • 有効期限日切れのロット在庫の在庫タイプを、利用可能在庫→保留在庫へ振替

ということができます。

有効期限日・次回検査日_在庫タイプ

有効期限日・次回検査日については、こちらの記事で詳しく解説しているので、知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

 

それでは期限監視モニタの実行例について説明します。

例えば、以下のようなロットがあったとします。

  • 次回検査日:2020/11/30
  • 有効期限日:2020/12/30

この場合、2020/11/29 (次回検査日の前日)に実行しても、在庫タイプは利用可能在庫のままです。

期限監視モニタ実行例1

 

2020/11/30 (次回検査日の当日)に実行すると、在庫タイプは利用可能在庫から品質検査中在庫に振り替えられ、品質検査ロットが登録されます。

期限監視モニタ実行例2

 

また再検査の結果が合格で利用可能在庫となったのち、2020/12/30 (有効期限日の当日)に実行すると、在庫タイプは利用可能在庫から保留在庫に振り替えられます。

期限監視モニタ実行例3

上記の例のように、次回検査日 or 有効期限日の当日に期限監視モニタが実行されると、在庫タイプが振り替わる仕様になっています。

 

期限監視モニタの使用方法

それではここから実際の期限監視モニタの使用方法について解説していきます。

マスタ設定

期限監視モニタでロット在庫のチェックをしますが、前提として品目マスタに以下の設定が必要です。

  • 検査タイプ:09(再検査)の割当【品質管理ビュー】
  • 検査間隔の設定【品質管理ビュー】
  • 総有効期間の設定【プラント・保管場所1ビュー】

 

期限監視モニタ 実行方法

期限監視モニタの実行は、T-code:QA07 でマニュアル実行できます。

ただし通常はT-code:SM36(ジョブスケジュール)で、夜間などにジョブ実行し、その日に期限が切れている在庫の在庫タイプを変更する処理にするのが一般的です。

※こちらのプログラムをT-code:SM36 で設定しておきます。

プログラム名:RQAAAS10

 

期限監視モニタが実行され、在庫タイプが変更される場合、在庫タイプ振替の入出庫伝票が登録されます。

  • 次回検査日切れ(利用可能在庫→品質検査中在庫):移動タイプ 322
  • 有効期間日切れ(利用可能在庫→保留在庫):移動タイプ 344

 

【補足】

在庫タイプで入出庫伝票が登録される仕組みとして、SAPでは

  • 利用可能在庫の減・品質検査中在庫の増
  • 利用可能在庫の減・保留在庫の増

といった動きをするため、入出庫伝票が登録されます。

※在庫タイプ振替の入出庫伝票は1伝票に対し、2明細(減と増)が登録されます。

なので、在庫のステータスが変わるというよりかは、在庫タイプ間で在庫の振り替えが行われる、という考えに近いです。

 

期限監視モニタ 実行オプション

【選択条件】

選択条件では、「品目」「プラント」「ロット」の3項目が指定可能です。

実際にはプラントのみを指定して、プラント配下のすべてのロットに対して期限切れでないかのチェックをかけるケースが多いです。

 

【次回検査日切れのオプション】

初期実行日付

設定しない場合、0日となります。

例えば、「5日」と設定すると、5日後に期限切れとなるロットも含めて、在庫タイプ振替の対象に含めます。

本日が 2020/11/25 の場合、2020/11/30 に期限が切れるロットも在庫タイプが振り替わります。

 

再検査の追加処理

オプションはラジオボタンで、以下5つから選択できます。

選択肢名称 挙動
ロット登録 品質検査ロットのみ登録され、在庫タイプは利用可能在庫のまま
品質検査中在庫振替+ロット登録 品質検査ロットが登録され、在庫タイプは品質検査中在庫に振り替え
保留在庫振替+ロット登録 品質検査ロットが登録され、在庫タイプは保留在庫に振り替え
次回検査日に品質検査中在庫振替 次回検査日に品質検査中在庫に振り替え
次回検査日に保留在庫振替 次回検査日に保留在庫に振り替え

※次回検査日に品質検査中在庫・保留在庫に振り替えられるオプションを使用する場合、当日=次回検査日の場合、在庫タイプが振り替わります。 また初期実行日付を設定しており、当日≠次回検査日 かつ 当日<初期実行日付の期間内 の場合、在庫タイプは利用可能在庫のままで品質検査ロットのみ登録されます。

 

次回検査日切れの場合、保留在庫にするよりも品質検査中在庫とする方が、他の保留在庫と区別がつくため、品質検査中在庫振替+ロット登録を選択するケースが多いです。

初期実行日付・次回検査日に品質検査中在庫振替 を使うケースも、顧客要望によってはありうるので、挙動について理解しておいて損しないと思います。

 

【有効期限日切れのオプション】

初期実行日付

挙動は、次回検査日切れのオプションと同じです。

ロットブロック

保留在庫振替が行われます。

もし、有効期限日=次回検査日の場合、有効期限日が優先され、保留在庫に振り替えられます。

 

サマリ

期限監視モニタを使うことにより、有効期限日・次回検査日を元に自動で在庫タイプ振り替えをすることができます。

有効期限日・次回検査日管理する イコール 期限監視モニタを使う と言っても過言ではありません。

期限監視モニタには実行オプションもあるので、顧客要望によって適切なバリアントを組んでジョブ実行するのが正攻法です。

関連記事(一部広告含む)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
TK
製造業界、素材産業にて、SAP ERPの導入・保守を経験。会社の情報システム部門→外資系コンサル会社→育休→独立(フリーランス)。 SAP導入プロジェクトの仕事をする傍ら、SAPに関する情報をブログで発信。