外注プロセスでは外注先に支給品を支給する必要があります。
通常は自社在庫を外注先に支給することが多いのですが、クライアントによっては原材料メーカーから外注先に支給品を直送する運用をしているケースもあります。
原材料メーカー→外注先への支給品直送をSAP標準機能で実現可能なので、処理方法についてこの記事で解説します。
Contents
外注プロセスについて
外注プロセスでは、外注先に外注品を生産してもらうために構成品を支給する必要があります。

通常は、自社にある在庫を外注先に支給するのですが、原材料の場合、原材料メーカーから外注先へ直送する運用をしているクライアントもあります。
イメージとしては、以下のようなイメージです。

通常パターンの場合、いったん原材料メーカーから品目を発注入庫で自社在庫とし、その後必要な数量だけ外注先に支給処理をします。
直送の場合、自社在庫とする処理はなく、原材料メーカーから直接外注先に品目が届けられる運用となります。
外注プロセスについて、もう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事をまずは読んでみてください。
それでは、SAPでそれぞれどのような処理となるかを解説していきます。
SAPでの処理方法
通常パターン
①発注入庫
原材料の発注伝票参照で発注入庫処理をします。
-
- T-code:MIGO
- 移動タイプ:101
発注入庫により、自社在庫として計上されます。
②支給品支給
続いて自社在庫にある品目を外注先に支給する処理をします。
処理方法は、以下2パターンあります。
- 外注品の発注伝票参照で支給
- 外注先(仕入先コード)を指定して支給
1の購買発注伝票参照で支給は、発注ごとに支給品を支給する場合に使用します。
2の仕入先を指定して支給は、一括でまとめて支給する場合に使用します。
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- T-code:MIGO
- 移動タイプ:541
支給処理をすると、特殊在庫区分:O(支給品在庫)として在庫管理されます。
特殊在庫区分:O(支給品在庫)について、詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
直送パターン
直送の場合、発注伝票登録時に「納入先住所タブ」で外注先の”仕入先コード”と”SC Supp にチェック”を入れる必要があります。
※ERP 6.0 では、SC Supp ではなく、外注Venという項目になっています。
続いて、モノは自社に届きませんが、発注入庫処理をする必要があります。
(発注入庫処理は外注先の着荷連絡を受けてする必要があるので、運用の検討は必要です。)
発注入庫をすると、自動で外注先の仕入先支給品在庫に在庫計上がされる仕様になっています。
サマリ
レアケースではありますが、原材料メーカーから外注先に支給品を直送する運用をしているクライアントもいます。
その場合、SAP標準機能でいきなり仕入先支給品在庫に計上することができます。
発注伝票上で、外注先の仕入先コードを指定し、SC Suppにチェックを入れる処理が前提として必要ですが、入庫→支給という2Stepの処理を回避することができます。
この機能を知っていれば、アドオンをする必要もないので、ぜひこの機能を活用してみてください。