SAP QMモジュールは、
- 品質検査ロット登録
- 品質検査記録
- 使用決定
の3つのステップがあります。
※詳細な品質検査プロセスについては、こちらの記事を読んでみてください。
もし②の検査記録をもとに、合否判定(使用決定)を自動で出したいという要件がある場合、SAPには「自動使用決定」という機能があります。
この記事では、自動使用決定をするために、どのような事前コンフィグ・マスタ設定が必要なのか、品質検査記録でどのような状態にしておけば、自動使用決定の対象になるかを解説していきます。
前提コンフィグ(SPRO)
コンフィグではプラントレベルで、自動使用決定に関する設定をします。
メニューパス:品質管理 → 品質検査 → 品質検査ロット完了 → 計画: 自動使用決定
設定箇所は以下です。
- 設定プラントを入力
- 品質検査完了タブをクリック
- 「待機時間(時間)」or「待機時間(分)」もしくは両方に値を入力。
この設定は、自動使用決定の条件を満たしてから、自動使用決定の対象とするまでの時間を設定します。
例えば、「1時間」と設定すれば、品質検査記録を実施し、自動使用決定の条件を満たしてから1時間は自動使用決定を実行しても、処理対象にはなりません。
一度使用決定(合否判定)をすると、それを取り消すことができない仕様になっています。
そのため、待機時間の設定を上手く使い、品質検査記録を見直す時間を設定するのも1つです。
そんな待ち時間はいらない場合は、待機時間(分)=1 と設定しておきましょう。
前提マスタ設定(MM01/MM02)
自動使用決定の対象とする品目マスタには、品目マスタの品質管理ビューで設定をする必要があります。
- T-code:MM01 or MM02 の品質管理ビュー
- 検査タイプボタンをクリック
- 検査タイプごとの「自動使用決定」のフラグをON
品目 x 検査タイプごとに自動使用決定をする・しないの制御ができます。
自動使用決定をしたい場合は、フラグをONにしておきましょう。
品質検査記録(QE01)
品質検査記録で以下3つの条件を満たすことで、自動使用決定の対象になります。
- 品質特性に不合格が入っていない
- 品質特性に不良が入っていない
- すべての品質特性が完了している(検査記録ステータス:5(処理完了))
ここから分かる通り、SAPの自動使用決定は「合格のみ」ということが分かります。
不合格のものは自動で不合格にするのではなく、1つ1つチェックする必要があるので、自動使用決定はしないという考えなんですかね。
(サマリ)自動使用決定は便利!
品質検査記録を入力しているのに、わざわざ別画面で合否入力しないといけないのはめんどくさい!という要件はどの企業でもあります。
SAPの自動使用決定機能を使えば、そういった煩わしいオペレーションを1つ減らすことができます。
また自動使用決定には、2つのトランザクションコードがあります。(QA10とQA16)
個人的にはQA16がおすすめですが、詳細はこちらの記事で解説しているので、どちらがマッチするか見極めたうえで、使用してみてください。