ロットマスタとは、ロット単位で在庫管理をしたい場合に、ロットの情報を保持するモノです。
この記事では、ロットマスタでどのような項目が保持できるのか、どのタイミングでロットが登録されるのか、変更可能なのか、ということを解説していきます。
ロットとは
ロットとは、同じ品目でも製造日や有効期限日など、別々に管理したい場合に使用します。
イメージとしては、以下のような感じです。

品目マスタに対して、ロット情報を分けたい単位でロット100001, 100002, 100003 と登録し、それぞれのロットに対していくら在庫数量があるか という情報の持ち方をします。
ロット管理するか、非ロット管理とするかは、品目マスタにて設定します。
販売:一般/プラントビュー、購買管理ビュー、作業計画ビュー、プラント/保管場所1ビューにて設定可能です。(どれか1つにチェックを入れると他のビューにも反映されます)
ロットマスタの保持項目
ロットマスタは、T-code:MSC2N(変更)、MSC3N(照会)で確認できます。
ロットマスタには、以下の項目を保持できます。
項目名 | 備考 |
製造日付 | 有効期限日・次回検査日の起算日 |
有効期限日 | 在庫ステータスが「保留」となる日付 |
次回検査日 | 在庫ステータスが「品質検査中」となる日付 |
仕入先 | 仕入先コード(発注入庫で自動セット) |
仕入先ロット | 仕入先のロット番号 |
前回入庫日 | 最後に入庫した日付 |
ロット特性 | ユーザ独自項目 |
ロット特性とは何か、設定方法については、こちらの記事で解説していますので、お読みください。
ロットの登録タイミング
ロットは入庫時に登録されます。
ロットマスタのコード体系は、カスタマイズの番号範囲にて設定できます。
内部採番にしていれば、入庫処理時に自動採番されます。
入庫処理時に、製造日付を入力すれば、自動で有効期限日・次回検査日の値が入ります。 未入力の場合、入庫日を製造日付とすることもできます。
またロット特性は、入庫処理時に値設定可能です。
T-code:MIGO のロットタブの「分類」ボタンからロット特性の設定画面に遷移します。
ロットマスタの変更方法
ロットマスタは、T-code:MSC2N にて変更します。
ロットマスタ変更画面からは、有効期限日なども変更可能なため、内部統制的に変更処理をすること自体NGというケースもあります。
そのため、トランザクションバリアントにて変更OKとする項目のみを変更可としたT-codeを登録し、業務ユーザに付与したり、システム管理者に依頼し、変更してもらう という運用方法を取ることが多いです。
ロット在庫の照会方法
ロットマスタの情報も含めた在庫照会がしたい場合、T-code:BMBC(ロット情報コックピット)を使用します。
使用方法については、こちらの記事で解説してるので、読んでみてください。
(参考)ロットトレース
ロットを使って、SAPではロットトレースをすることができます。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、読んでみてください。
(参考)ロット継承
ロットマスタの情報を、次のロットへ情報を引き継ぐロット継承機能がSAPにはあります。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、読んでみてください。